【香港】銀行への配当凍結要請、金融管理局が否定[金融](2020/04/03)
香港金融管理局(HKMA)は2日までに、香港域内の銀行に配当や自社株買いの一時停止を要請する必要はないとの考えを示した。英中央銀行イングランド銀行傘下の健全性規制機構(PRA)がHSBCホールディングスなど同国主要行に対し、年末まで配当と自社株買いを控えるよう要請したことに関連して香港メディアの取材に答えた。2日付信報などが伝えた。
金融管理局は健全性規制機構の要請を念頭に、一部海外の事例には留意しているとしながらも、香港の銀行システムの資本水準は充実しており、域内銀行の自己資本比率は平均20%を超え、当局が求める監督基準をはるかに上回っていると強調。引き続き安定した与信と経済の下支えが可能だとの認識を示した。
中国本土の国有商業銀大手、中国銀行系の中銀香港、香港地場資本大手、東亜銀行(BEA)など上場行の一部も、配当計画に変更はないと明らかにした。
健全性規制機構は英主要行に対し、新型コロナウイルスの世界的流行に伴い見込まれる景気の急速な悪化に向けた準備として、手元資金を十分確保させることを主な目的に、年内の配当と自社株買いを行わないよう要請。1日の香港株式市場では、これに応じたHSBCとスタンダード・チャータードの株価が急落した。