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【韓国】韓国が全世界に入国制限[社会](2020/03/18)

韓国政府は19日午前0時から、新型コロナウイルス感染症の防疫対策として実施している「特別入国手続き」の適用対象を全世界に拡大する。海外から入国する感染者の増加に対応した。また、小中高の一斉休校の措置もさらに2週間延長する。韓国での感染者数は増加ペースが鈍化しているものの、ソウルなど首都圏で集団感染が相次いでおり、感染拡大の防止に向けた対策の徹底が求められている。

これにより、同日からは国籍に関係なく海外から韓国に入国するすべての人が特別入国手続きの対象となる。これまで、日本や中国、イラン、欧州全域などには適用されていたが、米国や東南アジアは含まれていなかった。

特別入国手続きは、発熱チェックや特別検疫申告書の確認措置が必要となる。また、入国後14日間は義務として「自己診断アプリ」をインストールし、自己診断結果を毎日提出しなければならない。

韓国保健福祉省によると、15日時点で海外から入国した感染者数は計44人で、このうち欧州からの入国者は16人と最も多く、中国(14人)、中国以外のアジア諸国(14人)が続いた。同省の金剛立(キム・ガンリプ)次官は「ここ3~4日間の入国者のうち、韓国人6人の感染が確認された。海外からのウイルス流入を遮断する必要性が高まっている」と説明した。

■休校措置さらに延長

一方、韓国教育省は17日、幼稚園と小中高校で新年度の始業日をさらに2週間延期し、4月6日にすると発表した。始業日は本来3月2日だったが23日に延期されていた。事態の収束が見通せない中、「子どもが安全に学習できる環境ではない」と判断した。

兪銀恵(ユ・ウンヘ)副首相兼教育相は「感染状況が収束に向かわなければ、始業日をさらに延期する可能性もある」と述べた。始業日延期で不足する授業日数については、夏休みや冬休みに振り替えて補う方針だ。

■感染増加数は3日連続100人未満

韓国の1日当たりの感染確認者は、3日連続で100人未満にとどまった。保健福祉省傘下の疾病管理本部によると、韓国での新型コロナの感染者数は17日午前0時時点で8,320人と、前日に比べ84人増加。死者数は6人増えて81人となった。

新興宗教団体「新天地イエス教会」の集団感染があった大邱市の感染確認は6,098人と、増加数は32人だった。病院の職員や患者が多数感染した慶尚北道も5人増の1,169人と、1日数百人ペースで増加していた南東部の感染状況は抑制に向かっている可能性が高い。

■プロテスタント系教会で集団感染

ただ、ソウルや京畿道など首都圏で集団感染が起きており、予断を許さない状況が続いている。九老区のコールセンターで集団感染が起きたソウル市は12人増の265人。京畿道も城南市にあるプロテスタント系「恵みの川教会」で集団感染が発生し、31人増えて262人となった。韓国メディアによると、韓国政府は多くの人が集まる宗教行事の自粛を要請しているものの、教団に属さないプロテスタント系の教会などが礼拝を続けているケースが多く、新たな感染源になりかねない。

文在寅(ムン・ジェイン)大統領は16日、「首都圏で大規模な集団感染が起きてしまえば、これまでの努力や成果の意味がなくなる」と強調し、改めて多人数が集まるイベントや宗教行事を自粛するよう呼びかけた。

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