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【中国】輸入症例が国内感染を上回る[社会](2020/03/16)

中国本土における新型コロナウイルス感染症(COVID19)の新規感染者数のうち、海外からの渡航者による「輸入感染」の症例が先週末に初めて国内感染を上回った。輸入感染者数は15日までに累計100人を突破。政府は国際社会と協調し、感染の逆流を防ぐための水際対策を一段と強化する構えだ。

国家衛生健康委員会が14日に発表した統計によると、中国本土で13日に新たに確認された新型コロナ感染者数は11人で、うち7人が海外からの入国後に感染が発覚する輸入感染の症例だった。国内での感染例はいずれも湖北省武漢市の4人となり、初めて輸入感染者数が国内感染者数を上回った。

さらに15日の発表では、14日の新規感染者20人のうち輸入感染は16人に上り、全体の8割を占めた。国内感染は2日続けて過去最少の4人(いずれも武漢)に抑えられており、中国にとって防疫の重点は海外からの感染流入をいかに食い止めるかに移ったことが数字の上からも明白となった。

同委員会が輸入感染者数を毎日発表するようになったのは今月5日(4日の統計)からだが、最初の輸入症例は2月26日に確認されており、イランから寧夏回族自治区への帰国者だった。輸入感染者数の累計は、15日午前0時までで111人に達している。

■9カ国から確認

各地当局の発表と新京報(電子版)のまとめによると、輸入症例はこれまでに少なくとも甘粛、北京、上海、浙江、広東、寧夏、河南、山東の各省・自治区・直轄市で確認されており、出所はイラン、イタリア、スペイン、米国、英国、サウジアラビア、フランス、タイ、フィリピンの9カ国に及んでいる。

このうち甘粛省では、今月2~5日にイランから空路で蘭州市へ到着した311人のうち37人の感染が確認された。浙江省ではイタリアの同じレストランで働いていた8人が感染していた例などが報告されている。

こうした状況を踏まえ、中国各地では海外からの渡航者に対する空港などでの管理を強化している。上海市や広東省では、これまで韓国、イタリア、イラン、日本の4カ国に訪問・滞在歴がある人に自宅または指定施設で14日間の隔離を義務付けていたが、13日からフランス、スペイン、ドイツ、米国の4カ国も対象に加えた。

李克強首相が9日に主宰した新型コロナ対応の指導グループ会議は、中国が「海外での急速な拡散によってもたらされる新たな挑戦に直面しており、国際協力を強化して出入国における防疫をしっかり行わなければならない」との認識を示した上で、出入国者への防疫管理を「緻密に」実施する方針を表明。李氏は12日にも同会議を招集し、国際社会とデータ共有や検疫作業などで連携して感染の輸出入を防ぐ取り組みを強化することを確認した。

■死者3199人、感染者8万844人

国家衛生健康委員会の発表によると、中国本土の新型コロナによる死者数は15日午前0時時点で累計3,199人、累計の感染者数は8万844人となった。12~14日の新規感染者数は39人、死者数は30人だった。

感染の中心地となっている湖北省の15日午前0時時点での累計死者数は3,085人、累計感染者数は6万7,794人となった。湖北省の12~14日の新規感染者数は13人、死者数は29人だった。

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