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【台湾】新型肺炎の経済的打撃、SARS以上=中銀[金融](2020/03/12)

台湾中央銀行(中銀)の楊金龍総裁は10日、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の世界経済への影響は重症急性呼吸器症候群(SARS、2003年に流行)より深刻だとの見方を示した。経済日報などが伝えた。

感染源の中国が現在、世界第2位の経済大国となっていることを主な要因に挙げた。楊総裁は、先進諸国は最終製品を中国からの輸入に頼り、アジア諸国は中間財の輸入を中国に依存していると指摘。中国での生産・物流が滞れば、先進諸国は民間消費に響き、アジア諸国はサプライチェーン断裂の危険性が高まるとの考えを示した。

台湾も輸出先の4割が中国となっており、影響は大きいとの見方。台湾経済との関わりの深い日本と韓国でも引き続き感染が広がれば、一部産業が大きな打撃を受けるとみている。楊総裁は台湾の今年の経済成長率予測を下方修正する可能性も示した。

楊総裁は12日、立法院(国会)財政委員会で業務報告を行う。委員会では台湾元の為替安定に向けた方針などに言及するとみられている。

中銀は今月19日の理事会で、政策金利を0.25~0.75%引き下げるとの観測も浮上している。米国が利下げに動く中、金利を引き下げなければ、金利差を狙ったホットマネーが流入することで台湾元が急騰し、輸出企業に一層の被害を及ぼすとの指摘もある。

■米ドル買いに昨年66億米ドル

楊総裁によると、中銀は19年、台湾元の上昇阻止を狙って、外国為替市場で米ドルを計66億米ドル(約6,931億円)分買い入れた。売った分を差し引いた純買い入れ分は55億米ドル。

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