【シンガポール】住宅ローン貸付残高、13カ月連続マイナス[金融](2020/03/03)
シンガポール金融管理庁(MAS、中央銀行に相当)が発表した2020年1月の月次金融統計で、住宅ローン(速報値)の貸出残高は前年同月比1.7%減の2,008億2,770万Sドル(約15兆6,350億円)となり、13カ月連続のマイナス成長にとどまった。19年12月も1.7%減だった。
住宅ローン貸出残高は、個人向け融資全体の76%を占める。マイナス成長が続いている背景には、政府が18年7月に導入した不動産投機抑制策の影響があるとみられる。
同策では、追加購入者印紙税(ABSD)の税率を引き上げた一方、住宅ローンの融資比率(LTV=融資時点の物件価格に対するローン貸出額の比率)を引き下げた。
1月の銀行貸付残高全体では3.0%増の6,911億5,470万Sドルとなった。個人向け融資は1.0%減の2,628億640万Sドル。クレジットカードが1.0%増の1,154億700万Sドル、自動車ローンが0.9%減の88億4,900万Sドルだった。
法人向け融資は5.6%増の4,283億4,820万Sドル。農業・鉱業・採石業向けが21.1%減と前月に引き続き2桁減となった一方、ビジネスサービス向けは10.7%増、金融機関向けは10.3%増と2桁の伸びを示した。