【台湾】展示会延期が各産業に打撃[経済](2020/03/10)

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新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)を受けた展示会・見本市の延期・中止が、台湾の各産業に打撃を与える恐れが出てきた。直近では、台湾で開かれる自動車部品の世界的な展示会「AMPA三展」の開催延期が決定。食品業界でも、台湾が出展を強化していた日本の食品見本市「フーデックスジャパン」の中止が決まった。展示会や見本市を通した産業の受注が減れば、台湾経済全体の押し下げ要因となりそうだ。

新型肺炎を受けた展示会・見本市の延期・中止が相次いでいる。写真はイメージ(台北世界貿易中心のウェブサイトより)

新型肺炎を受けた展示会・見本市の延期・中止が相次いでいる。写真はイメージ(台北世界貿易中心のウェブサイトより)

経済日報などが伝えた。台湾政府系貿易振興機関の中華民国対外貿易発展協会(TAITRA)は、主催するAMPA三展の開催時期を従来の4月15~18日から10月21~24日に変更した。「新型肺炎がまん延する中、出展者とバイヤーの利益、健康、安全を考慮した」と説明した。

AMPA三展は「台北国際汽車零配件展(タイペイ・AMPA)」「台北国際車用電子展(オートロニクス・タイペイ)」「台湾国際機車産業展(モーターサイクル・台湾)」を一括して開催する大型展示会。自動車部品を中心としながら、スマート輸送システムや電動車関連の展示も行われる。

自動車部品の展示会としては世界4番目の規模。毎年、140カ国・地域から7,000人のバイヤーが来場し、出展企業数は1,400社、ブース数は4,000個に上る。

ただ今年は、10月に延期されたことで、規模が縮小する見通し。TAITRAの葉明水秘書長によると、9月にドイツで、11月に米国で自動車部品関連の展示会があることから、出展企業の分散を招く恐れがある。TAITRAは「出展者の受注が減らないよう、できる限りの努力をしていく」と表明した。

台湾の自動車部品は世界的に競争力が高いとされ、輸出も近年堅調に伸びていた。自動車業界団体の台湾区車両工業同業公会(車両公会)によると、2019年の輸出額は2,147億台湾元(約7,329億6,000万円)。09年は1,396億元で、10年間で5割以上増えた。だがAMPA三展の規模が縮小すれば受注に響き、今年の輸出額が下振れするとの見方も出ている。

一方、出展を予定していた自動車部品大手の東陽実業は「仮に予定通り開催していても、出展効果は高くなかった」との見方。新型肺炎の影響で既に世界の各業者が従業員の出張を控える中、4月に開催しても来場者数は伸び悩んだとし、TAITRAの決定に理解を示した。

■フーデックス中止で損失40億元か

食品業界では、フーデックスジャパンの中止が下押し圧力となる見通しだ。

フーデックスジャパンはアジア最大級の食品・飲料見本市で、3月10~13日に千葉市の幕張メッセでの開催を予定していた。昨年の出展企業は約3,300社、ブース数は約4,500個。

台湾の食品業界は近年、官民一体となってフーデックスへの出展を強化。TAITRAによると、昨年の台湾からの出展数は中国、スペインに次ぐ3番目。台湾企業の昨年の成約額は40億元に上っており、台湾の食品業界は大きな収入を失うことになる。

さらに域内の大型展示会も延期された。ベーカリー商品や関連設備の展示会「台北国際コウ焙・設備展」(コウ=火へんに共)は当初、3月12~15日に台北市の南港展覧館で開催される予定だったが、新型肺炎の影響で、7月30日~8月1日に延期された。

ただ主催団体は6月と7月に海外で大型の食品見本市があることから、出展企業が2~3割減る恐れがあるとの見方を示した。その上、台湾食品大手の統一企業(ユニプレジデント)と南僑投資控股(南僑)が「新型肺炎の先行きが見えない」などの理由で、延期後の展示会への出展を取りやめることを決定。展示会の規模は従来に比べ、大きく縮小することとなった。

■コンピューテックスも危機

TAITRAは自転車の国際見本市「台北国際自行車展覧会(台北サイクル)」についても、今年3月から来年3月に延期することを決定している。見本市は年1回開催のため、実質的には中止。同見本市の規模は自転車関連の見本市では世界で2番目に大きく、台湾の自転車業界にとっては大きなマイナス材料。

ゲーム業界では、台湾最大規模の見本市「台北国際電玩展(台北ゲームショー)」が2月から6月に延期された。出展を予定していた450社余りが影響を受けた。

6月2~6日に開催される台湾最大のIT見本市「台北国際電脳展覧会(コンピューテックス台北)」の開催も危ぶまれている。主催団体のTAITRAは「新型肺炎の状況を考慮し、時期が近くなってから、開催の可否を決める」との考えを示した。

コンピューテックス台北は昨年、約1,700社が出展。ブース数は5,500個に上り、世界171カ国・地域から4万2,495人が来場した。もし中止・延期となれば、台湾のIT業界には大きな打撃となる。

■世貿・南港展覧館が2割減収か

展示場の運営も苦境に陥っている。

葉秘書長はTAITRAが運営する台北世界貿易中心展覧館1館(世貿1館)、南港展覧館1館・2館の3施設の収入が今年通年で計4億~5億元減少するとの見通しを示した。例年から2割近く減少することになる。

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