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【カンボジア】中国大使「カンボジア最優先」、原料供給で[繊維](2020/02/28)

フン・セン首相は26日、中国の王文天・駐カンボジア大使に対し、新型コロナウイルスの影響で縫製業の原料供給が滞っている中国から、カンボジアへの原料輸出の支援を呼び掛けた。王大使はこれを受け、「原料供給についてはカンボジアを最優先に、中国の関係方面から特別な対応を検討している」と応えた。クメール・タイムズ(電子版)が伝えた。

フン・セン首相は26日、北西部ウドンメンチェイ州で開かれた、中国が支援する国道58号線の完成式に出席した。その際共に参加した王大使に対し、中国から船のほか航空機を活用した原料の輸出支援を要請。「多額の輸送費を両国が負担する形となるが、カンボジアの縫製産業の労働者保護のために協力してほしい」と呼び掛けた。

これを受けて王大使は、「中国政府は原料を供給して、カンボジアへの悪影響を軽減できるよう解決策を模索している。心配しないでほしい」とコメント。「既に中国の多くの工場が運営を再開している」とも話し、カンボジアへの原料供給について小規模ロットは空輸で、大規模ロットは船便で対応を検討していると明らかにした。

カンボジア縫製協会(GMAC)によると、カンボジアの縫製産業では、中国からの原料調達率が60%以上を占める。このため、新型コロナウイルスの影響で中国の工場が運営を停止したことで、カンボジアの縫製工場の原料調達に影響が出ているという。

GMACのカイン・モニカ事務局次長によると、26日時点でカンボジアの縫製工場が生産を停止したケースは出ていない。ただ原料不足の状況が続けば、3月半ばから4月にかけて工場の運営停止が相次ぐ恐れがあるとしている。

労働者運動集団連盟(CUMW)のパブ・シナ会長は、フン・セン首相による王大使への要請を評価。「重要なのは、政府が工場の運営を停止させないようにし、失業者を出さないことだ」との考えを示した。

労働省は、3月末まで原料不足の状況が続いた場合、縫製工場で働く約7,000人が失業するほか、約9万人が一時的に職を失うと予想している。

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