【台湾】銀嘉が抗菌の防疫物資開発へ、日本に投入も[繊維](2020/04/21)
電線やケーブルなどを製造する台湾の万泰科技(ワンダフル・ハイテック)は、傘下の抗菌材料メーカーの銀嘉科技が抗菌機能のあるマスクや医療防護服などを開発すると明らかにした。新型コロナウイルス感染症のまん延で需要が高まっていることに対応する。日本市場に投入する可能性もある。経済日報が伝えた。
銀嘉科技はかねて半導体技術を応用した繊維を開発。世界で唯一、銀、銅、チタンの薄膜技術を利用した抗菌材料(ACT)の開発を手掛けているという。
万泰科技の張銘烈董事長によると、銀嘉科技は新型コロナウイルスの流行を受け、新たにACT技術を応用したマスクや医療防護服、病衣、患者用ベッドなどの開発に乗り出す。
開発に向けて、台湾の防疫物資製造チームに加わる不織布メーカー2社と既に提携。1~2カ月後にACTを使用した防疫物資を発表する見通しだ。
マスクに関しては、既に万能科技大学と提携し、抗菌効果の測定を実施。ACTマスクは使用後3日経過しても、わずか3個の細菌しか検出されなかった。一方、台湾衛生福利部(衛生省)が現在支給するマスクからは1万5,000個の細菌が検出された。
■商社から引き合い
ACT材料は日本の繊維評価技術協議会の認証「SEKマーク」を取得済み。張董事長によると、認証取得後には日本の大手商社から複数の問い合わせを受けており、日本市場に製品を投入する可能性もある。
銀嘉科技は万泰科技と張董事長個人が7割以上を出資している。