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【マレーシア】国王が下院議員と個別面談、次期首相任命へ[政治](2020/02/26)

マレーシア王室のファディル・シャムスディン長官は25日、国王が新首相を任命するため、25~26日に連邦議会下院(定数222)の全議員と面談すると発表した。マハティール暫定首相を除く下院議員221人が対象となる。マレーシアでは、国王が首相の任命権を持つが、このような手順を踏むのは初めて。マハティール氏の辞意表明は、超党派議員による大掛かりな多数派工作の動きが一因とみられ、各議員の意思を直接確認し、円滑な政権移行を図る。

電撃的な辞任劇から一夜明け、首相府で通常業務に復帰したマハティール暫定首相=25日、行政都市プトラジャヤ(首相府提供)

電撃的な辞任劇から一夜明け、首相府で通常業務に復帰したマハティール暫定首相=25日、行政都市プトラジャヤ(首相府提供)

国営ベルナマ通信によると、初日に90人、きょうは残り131人を対象に面談する。ファディル長官によると、1人当たり2~3分を予定しており、マレーシア連邦議会としては初の試みになると述べた。マハティール暫定首相については、「昨日(24日)、国王と会い、改めて面談の機会を設ける必要はない」と説明した。

マハティール暫定首相は辞任表明から一夜明けた25日、行政都市プトラジャヤの首相府で通常業務に復帰した。国王による新首相の任命を待って、マハティール暫定首相が新たな閣僚と副大臣を決定することになっている。

■暫定首相、政党代表7人と会議

25日付マレーシアン・リザーブによると、マレーシア国際イスラム大学のシャムラハユ・アブドゥ・アジズ教授は国王による議員面談ついて、「各議員が誰を支持しているかを明確に把握することで、新首相を確実に任命できる」と説明した。マハティール氏の辞任劇は、首相の後継問題を巡る与党連合・希望連盟(PH)の内部対立が発端とみられ、超党派の大掛かりな多数派工作の動きがPH分裂の決定打となった。

一方、政治評論家のホー・ケピン氏は「暫定首相でも新閣僚を任命できる。次期国会の会期初日となる来月9日までに組閣を完了することになる」との見方だ。首相府の声明によると、マハティール暫定首相は25日夜、首相府で主要政党の代表7人を集め、会議を開く。

招集されたのは、◇人民正義党(PKR)のイブラヒム・アンワル党首◇マレーシア統一プリブミ党(PPBM)のムヒディン・ヤシン党首◇民主行動党(DAP)のリム・グアンエン書記長◇国民信託党(アマナ)のモハマド・サブ党首◇統一マレー国民組織(UMNO)のザヒド・ハミディ総裁◇全マレーシア・イスラム党(PAS)のアブドゥル・ハディ・アワン党首◇サラワク政党連合(GPS)のラーマン・ゾハリ・オペン党首――。

マハティール氏は、PKRから離党したアズミン・アリ元副党首とは、別途会談する。また、地域政党のサバ伝統党(ワリサン)のモハマド・シャフィー党首とはきょう、会談する予定だ。

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