スタートアップの資金調達・ビジネスマッチングサイト

【タイ】三菱電機カンヨン、20年度は8%増収目指す[電機](2020/02/20)

三菱電機製品のタイ販売会社、三菱電機カンヨンワタナは19日、2020年度(20年4月~21年3月)の売上高について前年比8%増の167億バーツ(約590億円)を目指すと発表した。省エネ効果が高く、高速冷却機能を備えたインバーターエアコンや冷蔵庫、扇風機の新製品を投入するとともに、物流インフラとアフターサービスの改善、デジタルマーケティングを強化し、販売拡大を図る。

2019年度の振り返りと20年度の事業計画に関する記者会見に臨む三菱電機カンヨンワタナの守山社長(右から2人目)ら=19日、タイ・バンコク(NNA撮影)

2019年度の振り返りと20年度の事業計画に関する記者会見に臨む三菱電機カンヨンワタナの守山社長(右から2人目)ら=19日、タイ・バンコク(NNA撮影)

三菱電機カンヨンワタナの守山泰社長によると、19年度は夏季に暑い日が続きエアコンの需要が拡大したことから、売上高は目標とする前年比7%増の155億バーツを達成できる見通し。売上高のうち主力製品とする空調機器(エアコン)が60%、家電が30%を占めるという。

守山社長は、三菱電機本社は創業100周年を迎える20年度までに連結売上高5兆円以上を目指していることに言及し、「タイを中心としたアジアは今後も成長が見込まれ、引き続きタイを重要市場として位置付けている」と述べた。

一方で、タイでは米中貿易摩擦による影響や輸出の落ち込みなどを背景に19年の国内総生産(GDP)成長率が前年比2.4%にとどまり、最近では新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の感染拡大による影響が不安材料となっていると指摘。「厳しい市場環境が続く可能性があるが、環境意識が高まっているタイで消費者のニーズに合わせた製品を販売していく」との方針を示した。

三菱電機カンヨンワタナのマーケティング・セールス部門の藤木孝司エグゼクティブゼネラルマネジャーによると、20年度にはエアコンと冷蔵庫、扇風機の新製品の発売を予定している。BtoC(企業・消費者間取引)向けのエアコンでは、高速冷却機能「ファスト・クーリング」や問題発生時にリモコンにエラーコードを表示する機能を備えたインバーターエアコン「JSシリーズ」と「KSシリーズ(ハッピーインバーター)」を発売する予定。微小粒子状物質「PM2.5」の除去フィルターも設置できる。BtoB(企業間取引)向けでは、省エネ効果の高い「ミスター・スリム・インバーター・パッケージエアコン」を発売する。

三菱電機カンヨンワタナは、2020年度にエアコン、冷蔵庫、扇風機の新製品を投入する予定だ=19日、タイ・バンコク(NNA撮影)

三菱電機カンヨンワタナは、2020年度にエアコン、冷蔵庫、扇風機の新製品を投入する予定だ=19日、タイ・バンコク(NNA撮影)

タイのエアコン市場に占めるインバーター機の割合は19年度に70%となり、22年度には90%まで伸長する見通しという。

同社は、北部ランパン県に物流拠点「スマートハブ・ランパン」を開設。北部12県をカバーし、より迅速な配達を目指す。

また、ビッグデータを活用した市場分析や、ユーチューブやフェイスブック、LINE(ライン)といった媒体を活用したデジタルマーケティングを強化する。6年連続で同社のプレゼンターを務めるタイの人気俳優ポープさんを起用した新たなテレビコマーシャルを放送するほか、サッカータイプレミアムリーグのチーム「BGパトゥム・ユナイテッド」のスポンサーとしてスポーツマーケティングを引き続き展開する。20年に入り、首都バンコクで自動車70台を利用したラッピング広告も開始した。

■エアコン市場でトップシェア

三菱電機カンヨンワタナは、タイのエアコン市場でトップシェアを握る。守山社長によると、同社の市場シェアは33~35%(自社調べ)という。タイのエアコン市場は20年度に310億~320億バーツ規模となる見通し。前年と同様に夏季に気温が上昇すると想定した場合、業界全体の成長率は6%と見込み、三菱電機カンヨンワタナはそれを上回る10%に上ると見込んでいる。

守山社長は、同社の強みとして◇高品質◇高機能◇アフターサービスの充実――を挙げる。ある購買動向調査でタイで三菱電機のルームエアコンを購入した消費者のうち半数以上が「再度エアコンを購入するとすれば、三菱電機の製品を選択する」と答えたことに言及し、「三菱電機カンヨンワタナが創立から48年間にわたり築き上げてきたブランドイメージが信頼性の高さにつながっている」との考えを示した。

関連記事

公式Facebookページ

公式Xアカウント