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【台湾】新型肺炎で11産業が減産、工研院傘下[経済](2020/02/14)

台湾政府系研究機関の工業技術研究院(ITRI、工研院)の付属機関で、産業動向を調査する産業科技国際策略発展所(IEK)は12日、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の拡大を受けた台湾産業への影響に関する報告を発表し、「11産業が減産に追い込まれた」と指摘した。中国に生産拠点を持つことが主因。13日付中国時報などが伝えた。

20産業を対象に調べた。政府系シンクタンクが新型肺炎の影響に関する報告を出すのは初めて。

減産となった産業は、ネットワーク設備、レンズモジュール、携帯電話組み立て、プリント基板(PCB)、受動部品、自動車部品、工作機械、産業用機械、風力発電向け部品、太陽電池、太陽電池モジュール。いずれも「中国生産・中国販売」、「中国生産・世界販売」のモデルを取るケースが多く、新型肺炎のまん延に伴う中国での生産・販売の停滞が響いた。上半期(1~6月)の売り上げに打撃を与えるとみている。

特にPCBと携帯電話組み立ての2産業への影響が大きいと指摘した。

一方、影響が最も少ない産業は「台湾生産・世界販売」モデルだと説明し、例として半導体産業を挙げた。

工研院は、生産体制の世界での分散化や生産のスマート化による労働力需要の縮小に乗り出すよう、企業に呼び掛けた。

■出荷と原材料確保に影響も

台湾総統府の国策顧問を務める秦嘉鴻氏は12日、中国を結ぶ貨物船の往来減少で、台湾企業の出荷と原材料確保に影響が出ていると明らかにした。製造業全体への影響は2~3カ月後に本格化するとみている。

秦氏によると、中台間の貨物船は荷が全て埋まってから出航するのが一般的。そのため、台湾からの出荷量が減少したことで一部メーカーでは出荷が遅れ、製品が社内施設に積み上がっているという。

原材料を中国からの輸入に頼る製薬メーカーからは在庫を懸念する声も出ている。中国の原材料工場が春節(旧正月)連休後の稼働を始めても、当面は中国向けの供給を優先するとみられ、台湾メーカーの生産に支障が出る恐れもあるとの見方だ。

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