【カンボジア】中国の新型肺炎拡大、縫製工場への影響必至[繊維](2020/02/11)
カンボジア労働省は、中国での新型コロナウイルスの感染拡大により、国内の縫製業が深刻な影響を受ける恐れがあるとの見方を示した。中国からの原材料の供給停止などにより、来月以降に工場の閉鎖や従業員の解雇が相次ぐことを懸念している。プノンペン・ポスト(電子版)が10日に伝えた。
労働省の報道官は、コロナウイルスの影響で、中国からの生地供給に支障が出てきていると指摘。既に多くの工場が操業の一時停止などに追い込まれていることから、「来月には工場の閉鎖や従業員の解雇に踏み切る企業が出てくる」との懸念を表明した。
カンボジアの縫製工場は、生地を主に中国から輸入している。旧正月(春節)前には多くの生地を同国から調達していたが、コロナウイルスの発生を機に中国の工場が操業を停止。現時点で再開の見通しが不透明なことから、労働省は国内縫製産業への影響は必至とみているようだ。来月の第2週には国内縫製工場の約5%、同月末には10%で原料不足の状況に陥るという。
一方で同報道官は、欧州連合(EU)が検討を進めている貿易優遇措置の撤廃が、工場の操業に影響するとの見方は否定。「EUの方針が縫製産業に打撃を与えるとの声も出ているが、臆測にすぎない」と強調した。EUは12日に同協定の継続または停止に関する判断を発表する予定だ。