【ミャンマー】新型肺炎の拡大を警戒、中国国境で検疫強化[社会](2020/01/29)
中国の湖北省武漢市で発生した新型コロナウイルスによる肺炎が急速に拡大していることを受け、ミャンマー政府は中国の国境で検疫を強化している。電子メディアのイラワジなどが27日に伝えた。
保健・スポーツ省は、北東部シャン州ムセで27日、ミャンマー人の男女が新型コロナウイルスに感染した疑いで、ムセ総合病院に収容されたと明らかにした。2人は、春節(旧正月)連休に中国の雲南省瑞麗から帰国した出稼ぎ労働者。
■2人に発熱の症状
病院によると、2人には発熱の症状があり、隔離病棟で経過観察を行っている段階。新型コロナウイルスに感染しているかどうかは判明していないが、確認されれば国内初の感染者となる。
感染拡大を防ぐため、政府は対策に本腰を入れ始めた。ムセ国境では、中国の業者の果物や翡翠(ひすい)の取引所への立ち入りが禁止されたほか、第2の都市マンダレーの観光名所の一つ、マハーガンダーヨン僧院では中国人観光客の受け入れを停止した。
シャン州モン・ラ特別自治区の当局は、第4特別自治区にある全てのカジノを閉鎖し、あらゆる集会を禁止したと発表。「中国国境で医療関係者が入国者のスクリーニング検査を実施している。感染源の可能性が高いとみられている野生動物の取引も禁止した」と述べた。
同州の少数民族武装勢力、ワ州連合軍(UWSA)も、ワ自治管区内にあるカジノなどの娯楽施設を閉鎖したと発表。広報担当者は「中国からの入国者に対する検疫を強化し、大規模な集会を禁止した。人々には不要な外出を控えるほか、野生動物の肉を食べないよう勧告している」と説明した。