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【ミャンマー】ヤンゴンの下水道整備、円借款で推進へ[公益](2020/01/23)

ミャンマー最大都市ヤンゴンの下水道整備が、日本の円借款で進むことになった。21日に、国際協力機構(JICA)とミャンマー政府が契約を締結。2028年の完成を目標に下水管の敷設や下水処理場の増設を進め、対象地域の下水道普及率を9割以上に引き上げることを目指す。

JICAによると、ヤンゴンでは中心部の商業地域(CBD)だけで1日4万3,000立方メートルのし尿、生活排水などが発生している。05年には、ミャンマー政府が英国植民地時代に整備されたし尿回収管路につなげる形で、1日に1万5,000立方メートルの下水が処理できる施設を整備。しかし、老朽化した管からの汚水漏れや設備の故障により、実際には630立方メートルしか処理されていないという。

人口増加や上水道整備により、CBDの下水量は1日で11万2,000立方メートルに増えると試算され、下水処理インフラの拡充が急がれていた。

今回の円借款では、ヤンゴンのCBDを含む地域を対象に、下水管の更新・新規敷設(延長52.6キロ)、下水処理場の改築・増設(1日当たりの処理能力11万2,000立方メートル)などを行う。総事業費は533億9,900万円で、459億円を円借款で賄う。

28年の施設使用開始を目指し、17年には42%だった対象地域の下水道普及率を、30年に96%まで引き上げる計画だ。

ヤンゴンの下水処理設備改善をめぐっては、英国際開発省(DFID)が調査を実施しているが、人口増加に伴う下水道インフラの本格的な整備推進に向け、資金協力を行うのは日本が初めて。

JICAは21日、ヤンゴンの下水道整備事業のほか、ヤンゴンの渋滞対策を含む都市開発事業、ヤンゴンと第2の都市マンダレーでの都市配電網整備事業、地方での道路や橋の建設を含む地方インフラ整備事業の3件でも、円借款貸付契約を結んだ。下水道整備事業を含む円借款の総額は、1,209億1,500万円。

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