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【タイ】再生エネEA、パーム油で相変化材料を生産[公益](2020/01/28)

エナジー・アブソルートは、パーム原油を使用した相変化材料の生産に乗り出すと発表。ソンティラット・エネルギー相(右から2人目)らが記者会見に出席した=27日、タイ・バンコク(NNA撮影)

エナジー・アブソルートは、パーム原油を使用した相変化材料の生産に乗り出すと発表。ソンティラット・エネルギー相(右から2人目)らが記者会見に出席した=27日、タイ・バンコク(NNA撮影)

タイの再生可能エネルギー発電大手エナジー・アブソルート(EA)は27日、パーム原油(CPO)を使用した相変化材料(フェーズチェンジマテリアル、PCM)の生産に乗り出すと発表した。パーム原油を使ったPCMは世界初という。

東部ラヨーン県の工場で4月にも生産を開始する予定。第1期の工場の日産能力は130トンで、すべてドイツと日本に輸出する。年内に第2期に取り掛かり、向こう5年で日産能力を1,000トンまで増強する計画だ。今年のPCMの売上高は8億バーツ(約28億円)を見込み、EAの総売上高の3%を占める見通し。

PCMとは適正温度を保持するための素材で、ビルや住宅、冷暖房設備などに使用される。世界のPCMの市場規模は推定10億米ドル(約1,090億円)とされ、向こう5年で3倍に拡大すると見込まれている。

タイのソンティラット・エネルギー相は、PCMの価格はパーム原油を100%使用したバイオディーゼル燃料「B100」の3倍に上るとし、高付加価値製品の生産に期待を示した。

■パーム油の取引アプリを発表

EAは併せて、ブロックチェーン(分散型台帳)技術を活用したパーム油の取引アプリを発表した。パーム油を生産する農家と買い取り業者をつなぐ仕組みで、取引の透明化や農家の収入向上が見込まれる。既に導入準備は整っているという。

このアプリを利用する農家は個人情報や取引データ、生産するパーム油の品質に関する情報などを入力することで登録でき、取引成立と同時に登録された銀行口座に現金が振り込まれる仕組みとなっている。

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