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【インドネシア】ナトゥナ海域で警備強化、戦闘機4機派遣[政治](2020/01/09)

インドネシア政府は、北ナトゥナ海の排他的経済水域(EEZ)で昨年12月、中国漁船が中国当局の警備艇を伴って違法に操業した疑いが浮上していることから、同海域の警備を強化する。空軍は監視のため、F16戦闘機4機を派遣する。8日付メディア・インドネシアが伝えた。

空軍関係者は「戦闘機による監視は7日間実施する。出動の準備は整っている」と述べた。

ジョコ・ウィドド大統領も8日、ナトゥナ・ブサール島スラットランパふ頭に待機している艦艇2隻を視察。「ナトゥナ海域の違法漁船については、インドネシアが拿捕(だほ)または追放する権利を持っている」と強調した。

一方で、8日付ビスニス・インドネシアが伝えたところによると、インドネシア漁民協会(HNSI)のアントン事務局長は、インドネシアはこれまでナトゥナ海域の水産資源を最大限に活用できていなかったと指摘。「中国の違法操業によってナトゥナ海が水産業にとっていかに重要かが浮き彫りとなった。中国に感謝し、漁船や漁具、プロセスの見直しに努めるべき」と述べた。

■水産センターに冷蔵倉庫建設

7日には、先にナトゥナ諸島を視察したエディ・プラボウォ海洋・水産相が、ランパ海峡にある水産漁業統合センター(SKPT)で、水産物用の冷蔵倉庫を早急に建設すると表明した。ナトゥナ諸島に水産物の保管場所がないため、漁業従事者から「早急に設置してほしい」と強い要望が出ていた。

エディ海洋・水産相は「冷蔵倉庫があれば、魚の取引価格が上昇している時に販売できるようになる」と述べた。漁業従事者は、清潔な水や燃料の確保についても支援を求めた。

乱獲などの監視を行う民間団体DFWのモー・アブディ氏は「ナトゥナ海域の漁獲物は、リアウ諸島州のタンジュンバライ・カリムンやジャワ島などで水揚げされており、ナトゥナ諸島の経済に貢献できていない」と指摘した。

ジョコ大統領は8日、ナトゥナ・ブサール島に待機している艦艇を視察した(内閣官房)

ジョコ大統領は8日、ナトゥナ・ブサール島に待機している艦艇を視察した(内閣官房)

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