【香港】常陽銀が海外初イベント、香港で食の商談会[食品](2019/12/13)
常陽銀行(水戸市)は12日、九龍・尖沙咀東のニューワールドミレニアム香港ホテルで、「常陽いばらき食の商談会in香港2019」を開催した。茨城県から約30社・団体が出展し、農産物や加工食品、酒類など香港初披露を含む約60品を売り込んだ。同行単独で海外イベントを開催するのは初めて。
一般客をメインとした午前と、バイヤー向けの午後の2本立てで開催。午前は100人超が来場し、午後のバイヤー数は40社を超えた。
日本産品が多く流通する香港は消費者の目が厳しいという声もあるが、出展企業は商品開発と新戦略で攻勢をかけた。
日本茶生産を手掛けるネモト(坂東市)の根本宏紀社長は、「京都産や静岡産などのブランドが浸透している海外の日本茶市場に食い込むには、新しい切り口が必要だ」と強調。伝統的な手もみ製法の茶葉を特殊技術で抽出し、ワインのように瓶に入れた「ボトリングティー」を来場者に振る舞い、「香港のフランス料理店などハイエンド向けに売り出したい」と期待を込めた。
実が手のひらほど大きい「飯沼栗」を会場でアピールした下飯沼栗組合(茨城町)の田口一彦組合長は、「本格的な海外進出は今回が初めてだが、大きさと甘さに来場者の反応は上々だ」と手応えを述べた。
2011年の東京電力福島第一原発事故以降、販売が途絶えてしまった香港市場への復活に挑む企業もある。「郷乃譽」などブランド日本酒を製造する須藤本家(笠間市)の須藤源右衛門社長は「当社の商品には根強い香港人ファンがいる」と自信を見せる。「新たな販売ルートを開拓し、ビンテージ日本酒など新しい楽しみ方を伝えていきたい」と意気込んだ。
常陽銀行の西野英文常務取締役は、「茨城には素晴らしい食がたくさんあるが、あまり知られていない。茨城をブランド化して香港に売り込んでいきたい」とコメントした。