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【マレーシア】苫小牧港の知名度向上と活用促進でセミナー[運輸](2019/11/26)

北海道の苫小牧港利用促進協議会はこのほど、同港の知名度向上を目的としたセミナーを、マレーシアの首都クアラルンプールで開いた。同港は北海道の外貿コンテナの約7割を取り扱い、農水産物の輸出を支える一方、火力発電などに使う重油の主要な玄関口となっている。マレーシアとは韓国・釜山を経由して、スランゴール州クラン港を結ぶ航路を持つ。2020年の大型倉庫の稼働をバネに、定期的な貨物輸送の拡大を狙う。

苫小牧港は、北海道の南西部に位置し、札幌から南に約60キロメートルの場所にある。18年のコンテナ取扱貨物量(速報値)は34万2,853TEU(20フィートコンテナ換算)で、全国10位。北海道の主要港と比べると、釧路港が3万6,354TEU(全国46位)、小樽港が1万1,809TEU(同65位)となっており、断トツの取扱量を誇る。

苫小牧利用促進協議会の会長を務める、苫小牧市の岩倉博文市長は「18年にマレーシアから北海道を訪れた旅行者数は12万8,900人と、14年比で2.6倍に拡大した。マレーシアで北海道の認知度は高く、農産物や銘菓など道産品のさらなる需要が期待できる」と話し、外貿コンテナで実績のある苫小牧港の活用を呼び掛けた。

苫小牧港管理組合の専任副管理者、佐々木秀郎氏はNNAに対し、「まずは、苫小牧港の知名度と信用力を高めたい」と力を込める。今年に入って、海外で開催したセミナーはマレーシアが9カ国目となる。20年春には温度管理型冷凍冷蔵庫が完成する予定で、収容能力は2万200トンとなる。中でも、海産物や加工食品、菓子などを冷凍で輸出し、マレーシアで解凍する輸送手法に期待を寄せる。新千歳空港が北へ約20キロの位置にあり、「国際拠点港として利便性が高い」とアピールした。

<メモ>

苫小牧港の海外航路は中国、韓国が8本、北米が1本の計9本。マレーシアとは、韓国・釜山をコンテナ積み替え拠点に、クラン港とを結んでいる。18年のマレーシアとの取引額は、輸出が28億7,800万円、輸入が262億5,700万円。品目では、主に機械や輸送機器を輸出し、重油を輸入している。

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