【タイ】日東工業が新工場、キャビネット生産[電機](2019/11/07)
日東工業は5日、タイ中部アユタヤ県にキャビネットなどを生産する新工場を建設すると発表した。投資額は3億2,000万バーツ(約11億5,000万円)。2020年11月に稼働させる。
タイの金属加工製品メーカー、バンコク・シート・メタル(BM)との合弁会社「日東工業BM(タイランド)」=NBT、旧・日東工業トレーディング(タイランド)=が工場を建設する。敷地面積は1万9,546平方メートル、建物面積は9,753平方メートル。キャビネットの現地生産を開始するほか、配・分電盤を生産する。
日東工業の担当者はNNAに対し、「数年後をめどにNBTの年商10億円を目指す」と話した。直近の実績は数億円。当面はタイの地場企業などの市場開拓を進める。
NBTは15年3月設立。17年11月の日東工業とBMの資本業務提携に伴い、両社の合弁会社となった。同提携で日東工業はBMの株式9.09%を取得し、BMはNBTに41%出資した。
日東工業は、アユタヤ県にブレーカーや配・分電盤など電気機械器具を製造・販売する子会社ELETTO(タイランド)を置いている。NBTは同社の敷地の一部を購入して工場を建設。両社の工場棟が隣接するようになる。NBTの工場建設に伴い、「ELETTOの配・分電盤の生産設備をNBTに移管する」(同担当者)。ELETTOでは日系企業を主にターゲットとしたハイエンド製品を生産している。設備の移管とともに、ローカル市場に沿った製品の生産を拡大する予定だ。
日東工業は、配電盤事業を柱に東南アジア事業を構築しようとしている。域内ではタイのほか、15年にシンガポールの配電盤メーカーを買収。今年9月には、子会社の情報通信専門商社サンテレホン(東京都中央区)が、ベトナムの同業サオナムアン・トレーディングサービス(SOECO)を買収したと発表していた。サンテレホンは17年、海外初の拠点としてタイ法人を設立。同社などを通じ、近隣国に建設資材(電設、通信)を供給しようとしている。