【シンガポール】東芝エネ、水素電力システムを海外初納入[電機](2019/10/31)
東芝エネルギーシステムズは30日、電力・ガスの供給などを手掛けるシンガポール政府系企業SPグループの子会社に、自立型水素エネルギー供給システム「H2One」を納入したと発表した。海外で納入するのは初めて。他国展開の足掛かりとする考えだ。
SPグループ傘下のSPキャピタルに納品した。今月から稼働している。H2Oneの稼働台数は国内外合わせ12台になった。
H2Oneは、水素を製造する水電解装置、水素貯蔵タンク、純水素燃料電池、蓄電池などから成る。発電状況や電気使用量、水素の製造・貯蔵量を自動制御するエネルギーマネジメントシステムも備える。
電力を水素に変換して貯蔵することで、電力を安定的に供給できるため、再生可能エネルギーを効率的に利用するのに重要な役割を果たせるという。
SPキャピタルに納品したのは20フィートコンテナサイズのワンコンテナモデルで、燃料電池の定格出力は3.5キロワット(kW)、蓄電池は10kW。受注額は非公表だ。
SPキャピタルはH2Oneを活用し、シンガポールの電力系統運用に対する水素エネルギーの有効性を検証する。
東芝エネルギーシステムズの広報、高瀬悠氏はNNAの取材に対し「インドネシアやフィリピンでも、電力会社などとH2One導入の話を進めている」と明かした。