【中国】寧夏回族自治区のワイン、日本で売り込み[食品](2019/10/18)
中国内陸部にある寧夏回族自治区のワイナリーが、日本で売り込むために来日し、16日に東京都内でセミナーを開催した。中国産ワインが日本でも受け入れられるか注目される。
自治区首府の銀川近郊の賀蘭山麓には、仏高級ワインブランド「シャンドン」など内外のワイナリーが200以上ある。日照時間が長く標高が高いほか、年間降水量が200ミリと乾燥しているため、害虫が少なく、無農薬・有機肥料によるブドウ栽培が可能だ。賀蘭山のワインを中国―欧州の国際コンテナ列車「中欧班列」で欧州向けに輸出する事業も始まった。
今回初来日したワイナリーの寧夏陽陽国際酒荘(ニンシア・ヤンヤン国際ワイナリー)は2011年設立だが、現在は600ヘクタールのブドウ栽培面積を持ち、ワインの年間生産量は約200万本に達する規模だ。別のワイナリーで醸造技師として勤務後、独立した何宏(フーホン)オーナーは、「自分が毎日飲むので安心できる商品だ。ドイツなどで国際的な賞も取った」と自信満々だ。
試飲するとセロリのようなスパイシーで複雑な香りが口の中で広がった。都内で中華料理店を経営する女性は、「(油分が多く辛い)料理にあう。ブドウが有機栽培なのも良い。店でも出したい」と話した。
日本での輸入販売を手掛けるプートン葡萄酒(東京・台東区)の青山宗典代表は、寧夏陽陽のワインについて、「フランス産ワインと目隠しで飲み比べ、中国産だと言い当てる人はいないほど、高い品質で皆が驚く」と指摘。どうしても日本で売り込みたかった、と話す。中国では1本168元(約2,575円)の赤ワインを日本では3,400円で販売している。今年は2,400本、来年は8,000本の輸入販売を目指す。
寧夏陽陽のワイン輸出は出荷全体の1%程度にすぎず、ほとんどは国内需要向けだ。醸造部門は120人、ブドウ畑の農業部門では400人の従業員がおり、回族は農業を中心に300人が勤務。何氏は「生産したワインは皆で飲んでいる。地域の雇用創出や経済発展にも貢献している」と語った。