【香港】施政報告、議会で行えず=民主派議員が抗議[政治](2019/10/17)
香港の立法会(議会)の新会期が16日始まった。香港政府トップの林鄭月娥(キャリー・ラム)行政長官が冒頭で施政報告(施政方針演説)を行う予定だったが、民主派議員の抗議により内容に入ることができず休会となった。香港メディアによると、行政長官の施政報告が議場で行えなかったのは1997年の中国返還後初めて。
午前11時ごろ、議場に入ろうとした林鄭氏に民主派議員数人が詰め寄り、混乱状態となった。その後、林鄭氏が議場で施政報告を行おうとしたが、複数の民主派議員が大声を上げて抗議。梁君彦(アンドリュー・リョン)議長が議会の一時中止を宣言した。
約20分後に林鄭氏は再び施政報告の読み上げを開始。しかし複数の民主派議員が「(真の普通選挙実現などを含む)五大要求は一つも欠けてはならない」などとシュプレヒコールを上げ、梁議長は休会を宣言した。政府は立法会で施政報告を行うのは困難だと判断し、テレビ演説による異例の形式を決めた。
立法会ビルは抗議活動に備え、周辺に多数の警官を配備し厳戒態勢を敷いた。7月1日の返還記念日にはデモ隊の占拠で議場などが破壊され、修復作業を進めていた。