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【台湾】台湾角川がデジタル化推進、ガマニアと合弁[媒体](2019/10/16)

KADOKAWAの角川歴彦会長(左2)は、「ウォーカーメディアをアジアのコンテンツプラットフォームに成長させたい」と述べた=15日、台北(NNA撮影)

KADOKAWAの角川歴彦会長(左2)は、「ウォーカーメディアをアジアのコンテンツプラットフォームに成長させたい」と述べた=15日、台北(NNA撮影)

KADOKAWAの台湾法人、台湾角川は15日、台湾オンラインゲーム大手の橘子集団(ガマニアグループ)と合弁会社を設立したと発表した。台湾角川は月刊誌「台北ウォーカー」をはじめとするウォーカー事業を合弁会社に譲渡し、事業のデジタル化を加速する考えだ。

名称は「我伝媒科技(ウォーカーメディア)」。今年7月に台北市信義区で運営を開始した。資本金は1億台湾元(約3億5,400万円)で、出資比率は台湾角川が70%、ガマニアが30%。従業員は40人で、台湾角川のウォーカー部門が移籍するほか、ガマニアも人員を派遣する。

我伝媒科技の董事長を兼任する台湾角川の岩崎剛人董事長は「台湾角川は設立から20年間、伝統的出版社として『台北ウォーカー』をはじめとする雑誌事業を手掛けてきた」とした上で、今後は「デジタルマインド」が必要だと強調。「デジタルでものを考える仕組みが必要との考えから、IT、ゲームに強いガマニアと組んでデジタルシフトを進めていくことを決めた」と説明した。

我伝媒科技に譲渡したウェブメディア「ウォーカーランド」は15日から、台北ウォーカーと日本旅行情報誌「ジャパン・ウォーカー」を統合したリニューアル版の運用を開始。地区やテーマを増やして、日本と台湾全域の情報を提供する。会員サービスを強化して、過去に蓄積した情報の限定公開なども行う。今後は中国語だけではなく、日本語、英語への対応も順次進める。

台北ウォーカーの月刊誌でも、「ネット主導」を進める。11月号からの特集企画を編集部主導ではなく、会員制交流サイト(SNS)を通じて集めた読者の声から制作するという。

岩崎董事長によると、今後はウェブメディアの強化を中心に進めながら、紙媒体にも力を入れていく考え。紙媒体をすぐにやめることはないが、将来的にデジタルへ完全移行する可能性も「ゼロではない」という。

ガマニアの劉柏園董事長は、将来的にウォーカーランドに東南アジア地域の情報を追加することや、合弁会社がゲーム分野を展開することも視野に入れていると明らかにした。

台湾角川は1999年創刊の台北ウォーカーを月10万部、15年創刊のジャパン・ウォーカーを8万部それぞれ発行。ウォーカーランドの会員数は現在10万人で、月間閲覧数は1,300万回、月間アクティブユーザー(MAU)は500万人。

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