【ミャンマー】世銀の事業環境ランク、大幅改善[経済](2019/10/02)
世界銀行は、各国のビジネス環境を比較する最新の「ビジネス環境ランキング2020」で、ミャンマーが昨年比で最も大きく改善した20カ国・地域に含まれることを明らかにした。会社法の施行による手続きの簡素化や事業の透明性が求められるようになったこと、最大都市ヤンゴンにおける建築基準管理の強化などを評価している。
世銀は毎年、世界各国・地域を対象にしたビジネス環境リポート「ビジネス環境の現状」を発表。「少数投資家の保護」「契約履行」「融資獲得」「納税」など10項目からの総合判断でランク付けしている。ミャンマーは昨年は190カ国・地域のうち171位で、東南アジア諸国連合(ASEAN)では最下位だった。今年の結果は10月24日に発表されるが、大幅に順位を上げる可能性がある。
世銀は9月末に事前のリリースを出し、今年の調査で、最も得点を改善した20カ国・地域を公表した。アジアでは、ミャンマー、バングラデシュ、中国、インド、パキスタンなどが入った。その他は、中東のバーレーンやクウェート、アフリカのケニア、ナイジェリア、ジンバブエなどが含まれている。
ミャンマーについては、ヤンゴンで建築事業者や技術者に対する資格要件が厳格化され、建築基準に関する管理が改善されたこと、水や衛生関連のインフラ投資が行われたことを指摘した。また、昨年の新会社法施行を重視。オンラインの会社登記システム整備で手作業の手間が省かれ効率化が進んだことや、取締役の役割強化や事業の透明性確保が求められ、少数株主の保護が図られるようになったことを評価した。
不動産登記や評価・査定の合理化、国内裁判所が成果報告書を発行し始めたことなども挙げた。
ミャンマーの事業のしやすさは、世銀の評価対象に含められた13年以降、180~170位台を推移。政府は、20年度(20年10月~21年9月)に上位100位、15年後の35年度に40位に入ることを目標に掲げている。
その他の大きく順位を上げた国・地域では、バングラデシュについて電化率の上昇と融資環境の改善を指摘。インドはムンバイとニューデリーでの建築許可取得が簡素化されたこと、関連政府機関の業務統合や港湾インフラの整備で輸出入がスムーズになったことなどを挙げた。