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【中国】化粧品のEC開拓、ジェトロが上海で商談会[商業](2019/09/24)

日本貿易振興機構(ジェトロ)は23日、化粧品や美容品を扱う日本企業の中国販路を開拓する商談会を上海市内で開いた。ジェトロによると、中国では2018年の化粧品輸入額が前年比69.2%増加し、このうち日本からの輸入は90%増えた。中国で高い人気を集める日本発の化粧品ブランドを電子商取引(EC)店舗に売り込み、中小企業の中国市場開拓につなげたい考えだ。

商談会はEC最大手の阿里巴巴集団(浙江省杭州市、アリババグループ)系ECサイト「淘宝(タオバオ)」の化粧品・美容品同業組合、淘美粧商友会が主催する「日中ビューティーサミットフォーラム」のプログラムの一つとして、越境ECサイト「淘宝全球購」と共催した。ジェトロが中国進出を支援する中小企業41社など日本から計100社が出展。淘宝に出店するバイヤーなど約1,000人と商談した。

中国では毎年11月11日にECの一大販促イベント「双十一」が行われ、中国商務省によると2018年は11日当日のネット小売り取引額は前年同日比約27%増の3,000億元(約4兆5,800億円)超となった。EC市場が急拡大するなか、今年1月からはECの新規制「中国電子商務法」が施行され、第三者による代理購入や並行輸入に頼らない商流の構築が急務になっている。

ジェトロによると、商談会では淘宝による審査を経て認定した輸入品取扱店舗「全球購認定店舗」を中心にバイヤーを集めており、認定店舗を通じた正規の販売ルートを開拓できるメリットがある。

■進出済み企業も販路拡大

天然成分のみの化粧品などの製販を手掛けるナイアード(東京都福生市)は化粧水や美容液といった美容関連製品を紹介した。モロッコ産の粘土からつくったフェース・ボディーパック「ガスール」は会員制交流サイト(SNS)を通じて中国でも知られるようになり、約5年前から「淘宝」や「天猫(Tモール)」を通じて中国市場で販売し始めた。EC代理店とタッグを組んで中国販売を促進し、向こう3年で中国市場での売上高1億円を目指す。

通販を中心に健康補助食品やヘアケア用品などを販売するはぴねすくらぶ(福岡県福岡市)は育毛剤などのヘアケア製品を紹介した。中国では既に百貨店やECサイトで商品を販売しており、18年の中国小売市場での売上高は1,000万元に上るなど好調だ。

同社の司彦斌・アジアマーケティングディレクターは「中国では育毛剤の需要が小さかったが、ここ数年で身だしなみにこだわる若者が増え、抜け毛を気にする人も増えている」と指摘。今後売れ行きが伸びると見込んで、来週から新たに薬用育毛剤「新髪24潤成プレミアム」を中国市場に投入する。販売価格は100ミリリットル入り製品で150元と若者にも手が届きやすい価格に設定。年内に2万本を出荷し、将来的には1カ月2万本を売り上げたい考えだ。

ジェトロと淘宝は16年から淘宝店舗と日本の中小企業とのマッチング商談会を開いている。今年は規模を拡大し、淘美粧商友会が加わって日中の小売業者や化粧品ブランドを招いたフォーラムを初めて同時開催した。

商談会でナイアードのフェースパック「ガスール」を手に取る来場者=23日、上海市

商談会でナイアードのフェースパック「ガスール」を手に取る来場者=23日、上海市

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