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【香港】MTRの破壊損失5.5億円、警備部隊創設も[運輸](2019/09/23)

香港鉄路(MTR)の運営会社、香港鉄路公司(MTRC)の欧陽伯権(レックス・アウヤン)会長はこのほど、「逃亡犯条例」改正案を発端とした抗議活動に関連し、一部デモ隊の破壊行為による損失額が現時点で最大4,000万HKドル(約5億5,000万円)程度に達したとの試算を明らかにした。21日付星島日報などが米ブルームバーグ・テレビジョンの報道として伝えた。

欧陽氏が7月の就任後、メディアの単独インタビューに応じたのは初めて。同氏は一連のデモ活動を受けて「乗客数が小幅なマイナスとなった」とした上で、週末に市民が外出しなくなったことと関係があるとの見方を示した。設備の破壊による損失額については、「3,000万~4,000万HKドルに達したとみている」としながらも、売り上げへの影響を判断するには「時期尚早」と強調した。

デモ隊から共産党との結託を意味する「党鉄」などやゆされ、批判されていることに関しては、「駅閉鎖などの対応は、乗客や職員、インフラの安全面を考慮したもので、(中国政府が絡む)政治要因によるものではない」と訴えた。

抗議活動が過激化する中、香港鉄路は鉄道駅の閉鎖や列車の運行規制を行っていることが警察や政府に協力的だとしてデモ隊の標的となった。既に域内160カ所ある駅のうち半数以上が破壊や放火などの被害に遭っている。

同氏はまた、今後の対応を問われ、「外国を参考に、長期的に自前の警備部隊の創設を検討していきたい」と述べた。ただ、政府や警察の同意が必要と補足した。自前の警備部隊は、鉄道専門の公安制度と組織の発足を指しているとみられる。

22日付同紙などによると、MTRCの運行責任者、劉天成(アディ・ラウ)氏は21日のラジオ番組で、既にリスク対応として、警備チームを従来の100人から約600人に増強したと明らかにした。劉氏によると、19日までに改札機約600台、券売機400台、軽鉄道(軽鉄、ライトレール)のICカード対応運賃精算機300台が破壊されたという。

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