【中国】QFIIとRQFII、投資限度額を撤廃[金融](2019/09/11)
中国国家外貨管理局は10日、海外の機関投資家に中国証券市場への投資を認める適格海外機関投資家(QFII)と人民元適格海外機関投資家(RQFII)の制度について、投資限度額を撤廃すると発表した。海外投資家による金融投資の拡大を促し、債券市場や株式市場の活性化につなげる狙いだ。
証券監督管理部門からQFII、RQFIIの資格を得た海外投資家は今後、外貨管理局に対する投資限度額の届出または審査が不要となる。
2018年6月公布の現行規定では、各投資家にはそれぞれの資産規模や管理資産規模に応じた投資の「基礎限度額」が設けられ、その範囲内であれば外貨管理局への届出を行い、基礎限度額を超える投資を希望する場合には同局の審査と認可を受けることが義務付けられている。外貨管理局は近く同規定を改正する方針で、改正手続きの完了を待って正式に限度額を撤廃する。
これに伴い、RQFIIについての国・地域制限も撤廃となる。QFIIをさらに発展させて人民元建て投資を可能にしたRQFIIの制度は、これまでは日本を含む一部の国・地域の機関投資家に限定して認められ、それぞれの国・地域ごとに限度額が設けられていた。
外貨管理局は、今回の規制緩和で海外投資家による投資の利便性は大幅に高まると指摘。特にRQFIIについては「条件を満たす世界各地の機関投資家が、海外の人民元を使って中国で証券投資を行うことを歓迎する」とした。
QFIIとRQFIIの制度は、それぞれ02年、11年から開始。31カ国・地域の機関投資家400社余りが、これら制度を通じて中国の金融市場に投資している。