【香港】運送業者、中国の税関検査でコスト増懸念[運輸](2019/09/11)

中国税関が、中国本土から香港に向かう全ての貨物にX線検査を義務付けたことをめぐり、ネット通販などの商品を運ぶ運送事業者にコスト増を懸念する声が上がっている。検査の強化は、「逃亡犯条例」改正案にからむ香港政府への抗議活動が一部で過激化したことなどを受けた措置とみられる。9日付明報が伝えた。

中国税関は7月からデモ参加者の多くが身に付けているヘルメットやゴーグル、マスクなどの装備を香港に輸送することを禁止した。香港のデモ参加者が、警察当局の監視を逃れるため、中国電子商取引(EC)最大手、阿里巴巴集団(アリババ)傘下の「淘宝(タオバオ)」などを通じて装備を購入したとみられたためだ。

それに伴い、中国本土から香港に運ばれる荷物も、一部を抽出して検査するサンプル方式から、全量をX線検査装置に通す方式に改められ、検査に掛かる時間は大幅に長くなった。

香港の物流ベンチャー「BUYUP Express(バイアップ・エクスプレス)」の幹部は、中国税関の措置への対応策として増員する必要があるとした上で、「貨物1キログラム当たりの平均物流コストが2割程度上がりそうだ」と苦言を呈した。市場競争が激化する中で「業界の先頭を切ってコスト増をサービス価格に転嫁するわけにもいかない」という。

同業の多宝集運(ManyBo、メニーボ)の責任者は、「ここ2カ月で本土から香港への貨物輸送事業の売り上げが1割減った」と説明。中国税関が傘や黒色Tシャツなどを輸送禁止リストに加えたため、香港の消費者がネット通販での購入を控えたことが背景にあると分析した。両社は広東省東莞市に集積・配送倉庫を保有している。

同紙が地元主要6社に聞き取りしたところ、現時点で本土から香港への輸送費を引き上げた業者はないという。

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