【韓国】【日韓対立】高まるカントリーリスク[経済](2019/08/22)

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【後編】NNAと韓国紙・亜洲経済新聞が実施したアンケート調査の2日目。依然として対立状態が続く日韓でビジネス展開する両国企業は、カントリーリスクを感じている。当面の対応策について日系企業は「日韓の信頼維持」を重要視する一方、韓国企業は素材の国産化や調達先の多様化など、事態の長期化に備えた「日本依存からの脱却」を模索している。日韓ともに望むのは、一刻も早い事態の収束だ。

われわれがこれまでコツコツと積み上げてきたものが、あっという間に崩れてしまった――。不買運動の対象となったある日系企業関係者は、実務的な観点だけでなく、韓国の政府や国民の背景にあるものをもっと考慮したアプローチがなかったか、と残念な思いを吐露する。

日本製品の不買運動が’急速に広がる韓国。高まるカントリーリスクを憂慮する声が、日系企業から相次いでいる=韓国・ソウル(NNA撮影)

日本製品の不買運動が’急速に広がる韓国。高まるカントリーリスクを憂慮する声が、日系企業から相次いでいる=韓国・ソウル(NNA撮影)

■日系:協力関係の維持と強化を

「今回の事態を受けて企業ができることは何か?」という質問に対しては、「パートナー企業との信頼関係維持」(運輸・サービス)、「変わりない誠実性のアピール」(工作機械)、「韓国人の従業員や取引先との友好関係の継続・強化」(商社)など、こういった時期だからこそ韓国企業との関係強化に努める姿が見えてくる。

また、「韓国企業は代替供給先や自国化を検討しているが、それに負けない製品を開発し続けることが肝要」(化学品製造販売)のほか、「韓国に依存しない市場形成」(電子関連製造)を検討している企業もある。

■韓国:日本依存からの脱却模索

韓国でも「両国の信頼関係は長い時間をかけてできたもの。対日政策の実施には慎重な対応が必要」(航空)といった関係性を重視する意見もあるが、早急に対策を模索する姿が見える。

特に、日本の対韓輸出管理強化を受けて付加価値が高い素材の国産化や調達先の多様化を急ぎ、これまでの「日本依存体質」からの脱却を急ぐという姿勢が鮮明だ。

具体的には「日本依存度が高い企業体質を改善し、このピンチをチャンスに変えなければならない」(金融)、「当面は難しいだろうが、これを機会と捉え、長期的には日本に頼らない自社製品の競争力強化を推し進める」(バイオ)といった意見が目立つ。

韓国側としては、「今回の事態が収束してもまた似たような問題で日韓摩擦が起こる可能性」(製造業)を懸念しており、今回の事態を機にリスク回避策として「脱日本」をテーマにしているようだ。

■日本:説明不足が混乱招いた

日本側の自由回答欄を見ると、関係をこじらせた要因の一つとして「政府レベルでの説明不足」を指摘する声が多かった。ある半導体関連メーカーは「日韓双方が説明不足のため、企業間では誤解が生じている」とした上で「われわれ中小企業にとって韓国は重要なマーケット。大企業から見る韓国とは異なることを知ってもらいたい」と述べた。

また、「日本は当初、(輸出管理の強化理由について)『不適切な事案』とあいまいだったことなど、誤解を招いて問題を大きくしてしまったのではないか。韓国も落としどころを探ることなく、自国の民間企業の利益を損ねている」(製造業)との指摘もある。

■韓国:外交努力や第三者の介入必要

韓国側の意見で目立ったのは、解決策に対する提言だ。「今のところ特別な解決策は見当たらない」(保険)という見方もあるが、「両国間の対話など外交的努力を続けてほしい」(IT)、「外交的な取り組みによる関係の修復」(電子)という意見が最も多い。また、日韓の間では解決は難しいとみる企業からは「米国など第三者の仲介が必要」(IT)、「米国の積極的な仲裁が重要」(金融)といった声も多かった。

■日韓とも望むのは早期収束

両国でビジネスを展開する企業としては、何をおいても早期解決を望んでいる。日本側では、「日本による韓国の『ホワイト国』除外により韓国企業が大打撃を受けるイメージが大きいが、日本メーカーも被害をこうむり、日韓の物流業者にも波及する。日韓双方にメリットはないため早期の解決を望む」(運輸・サービス)や「速やかな外交協議によって、正常な日韓経済活動が行える健全な状態に早く戻してほしい」(建設用機材レンタル)など、解決を切望する声が圧倒的だ。

韓国側でも、事態の早期解決に向けて「消耗戦から抜け出し、両国のより良い未来に向けた発展への道を模索したい」(金融)、「現状は両国にとって利益はない。より良い未来に向けた地道な努力が欠かせない」(IT)などの声が寄せられた。

日韓の各メーカーはこれまで、グローバルサプライチェーンの中で密接なつながりをもってビジネスに取り組んできた。だが、今回の事態を受けてその供給網が新たな形に塗り替えられる可能性もある。日韓はどこに落としどころを見出すのか。しばらくは予断を許さない状況が続きそうだ。

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