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【マレーシア】国内企業の業績に好転の兆し、米中摩擦で[経済](2019/08/14)

米中貿易摩擦の影響で、マレーシア企業の業績が好転する兆しが出てきた。半導体のグローブトロニクス・テクノロジーは、今年後半に工場がほぼフル稼働状態になるとみている。13日付スターが伝えた。

同社のヘン・フックリー最高経営責任者(CEO)は、「米中貿易摩擦の影響で受注の見通しが不透明となり、今年通年の業績を確実に予想するのは難しいが、7月には日本や米国、欧州からスマートフォン向けの高性能センサーやタイミングデバイス、自動車向けレーザー光モジュールなどを相次いで受注した」と説明。「既に当社の工場はフル稼働の状態にある」と述べ、今年下半期(7~12月)の業績は上半期(1~6月)を大きく上回るとの見通しを示した。

同社の上半期の売上高は前年同期比42.4%減の9,100万リンギ、純利益は54.3%減の1,120万リンギだった。

ヘンCEOはまた、ある中国企業と集積回路(IC)の生産移管について協議を進めていることも明らかにした。グローブトロニクスがクアラルンプールに持つクリーンルーム施設で生産する方向で、グローブトロニクスが同社と協業するか、施設を貸し出す可能性があるという。

一方、マレーシア産業開発金融(MIDF)系シンクタンクのMIDFリサーチは、国営石油ペトロナスの化学品部門ペトロナス・ケミカルズ・グループ(PCG)にとっても、米中貿易摩擦が追い風になるとの見方を示した。

13日付エッジ・ファイナンシャル・デーリーによると、MIDFリサーチは米中貿易摩擦が世界経済にマイナスの影響を与えるとの懸念が広まる中、PCGにとっては受注増の好機になると指摘。特に中国向け輸出の拡大につながる可能性が高いという。

野村証券のグローバル・マーケッツ・リサーチ部門は昨年11月、米中貿易摩擦の激化で恩恵を受けるマレーシア企業として、グローブトロニクスやPCGなど7社を挙げていた。

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