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【ベトナム】ハノイでジェトロ部品展示商談会、あすまで[経済](2019/08/15)

日本貿易振興機構(ジェトロ)とベトナム貿易促進庁(VIETRADE)が主催する「第8回ハノイ部品調達展示商談会」が、14日に開幕した。ベトナムで部品・部材の調達および供給を希望する日系企業20社と、日系企業への供給を希望するベトナム企業35社が参加。ハノイ市ホアンキエム区のハノイ国際展覧センター(ICE)であす16日まで開かれる。

第8回ハノイ部品調達展示商談会には日越55社が出展した。製造業向けのマッピングシステムを展示したTSKのブース=14日、ハノイ市

第8回ハノイ部品調達展示商談会には日越55社が出展した。製造業向けのマッピングシステムを展示したTSKのブース=14日、ハノイ市

物流包装、真空計製品の企画・設計・製造などを手掛けるTSK(富山市)は、ベトナム現地法人で製造する包装およびマテリアルハンドリング(マテハン)機器のサプライヤーを探すほか、今後にベトナムでの販売を目指す「品質プロジェクション・マッピングシステム」を出展。同システムは、組み立て生産などの工程において作業手順を手元に投影し、人的ミスを防止する作業台で、顧客の要望にあわせてカスタマイズする。製造業が多いベトナムで商機をつかむため、市場調査も兼ねて出展した。

ベルトコンベヤーやパーツハンドリング機器などの自動機器を設計・製造するNKE(京都市)は、ベルト製造のバンドー・マニュファクチャリング・ベトナムと出展。陵本栄一・海外担当部長は「中国の取引先のベトナム移転は2~3年ほど前から加速している」とし、製造業で自動化の拡大が見込まれる同国で工場の設立を目指す。展示会などの機会を活用し、情報収集を進めている。

今回、2回目の出展となったダイキンエアコンディショニングベトナムは、業務用エアコンの製造を開始するのに伴い、部品調達ができるサプライヤーを探している。調達したい部品を展示して、ベトナム企業との情報交換を深めている。担当者によれば、家庭用エアコンの現地調達率は80%を超えており、業務用でも同様の調達率を目指したい考え。

■現調率は36.3%

ジェトロの部品調達展示商談会は、ハノイとホーチミン市で毎年交互に開催されている。前回のハノイでの実績は、3日間で約4,600件の商談が行われた。ジェトロが実施した「日系企業調査(2018年)」によれば、ベトナムは「事業拡大」の期待が東南アジア諸国連合(ASEAN)域内でトップだった一方、原材料・部品の現地調達率の低さが課題となっている。

ベトナムに進出する日系企業の原材料・部品の現地調達率は18年時点で36.3%。「毎年、微増しているが、タイ(57%)や中国(66%)と比べてまだ低い。日系進出企業の生産コスト削減やリスク低減のためにも、ビジネスマッチングなどを通じてベトナムの裾野産業の技術力アップに貢献していきたい」(ジェトロ・ハノイ事務所の阿部智史ディレクター)とした。

会場では、製造業関連の展示会「ベトナム・マニュファクチャリング・エキスポ(VME)」と工業部品展「インダストリアル・コンポーネンツ&サブコントラクティング・ベトナム」が併催されている。出展規模は合わせて145社に上る。VMEには、ジェトロが設置したジャパンパビリオンにベトナムでの市場開拓を目指す6社が出展したほか、長野県中小企業振興センターの支援により、長野県企業5社なども参加した。

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