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【タイ】HBA、タイでクラウドサービス提供へ[IT](2019/08/08)

ITソリューション事業を手掛けるHBA(札幌市)は、9月にタイの首都バンコクでデータセンター事業を開始し、クラウドサービス「HiT―CLOUD(ヒット―クラウド)」を提供する。まずは日系企業をターゲットとし、サービス開始から3年で25社の契約獲得を目指す。

タイで提供を開始するクラウドサービスについて語るHBAの神川常務(左)とHBA(タイランド)の押切英司取締役所長=7日、バンコク(NNA撮影)

タイで提供を開始するクラウドサービスについて語るHBAの神川常務(左)とHBA(タイランド)の押切英司取締役所長=7日、バンコク(NNA撮影)

インターネットイニシアティブ(IIJ、東京都千代田区)がバンコク東部バンナー地区で運営するデータセンター内にクラウドサービスの基盤を設置。日本のHBA本社のデータセンターから遠隔で監視し、問題が発生した場合は、同社のタイ法人HBA(タイランド)が問題解決や顧客への連絡といった対応をとる。HBA(タイランド)には、日本語で365日対応するヘルプデスクを設置する。

HiT―CLOUDは、利用者を限定しないオープンな形態の「パブリッククラウド」ではなく、企業・組織が専用のクラウド環境を構築し、社内の各部署やグループ会社に提供する形態の「プライベートクラウド」と位置付ける。HBA(タイランド)の社長を兼任するHBAの神川正夫常務は、サイジングからチューニング、システム移行までワンストップで同社が手掛けるとした上で、「『人がいるクラウド』を利用することで、顧客は不慣れなIT業務から解放される」と話す。

タイの日系企業の多くはコンピューターシステムを自社運用しており、現地法人立ち上げ当初は日本の本社からのシステムサポートがあるが、その後の運用は現地に任されるケースが多く、IT業務に苦労している日本人スタッフが多いという。

HiT―CLOUDは、◇インフラストラクチャー・アズ・ア・サービス(IaaS)およびプラットフォーム・アズ・ア・サービス(PaaS)の提供◇ソフトウエア・アズ・ア・サービス(SaaS、クラウド上で必要なソフトウエアを提供するサービス)の提供◇一般的なデータベースからティーマックスソフトが開発した安価なデータベース「Tibero」への移行――をサービスの三本柱としている。サービス料金は月額3,500バーツ(約1万2,000円)から。定額で、従量課金はしない。

神川常務は「小売・卸売や物流といった流通業のほか、タイの日系企業で最も多い製造業の顧客獲得も目指す」とコメント。「まずは日系企業向けで実績を積んだ後、タイ企業や日系以外の外資系企業の顧客獲得を狙っていきたい」と話した。

■ツルハに追随しタイ進出

HBAは2014年、バンコクに同社初の海外拠点となるHBA(タイランド)を設立。日本国内の顧客で、ドラッグストア「ツルハドラッグ」を展開するツルハホールディングス(札幌市)がタイに進出したことがきっかけとなった。

HBA(タイランド)の資本金は600万バーツで、HBAが49%、現地日系企業3社が51%出資する。現在、日本人2人を含む11人体制で、基幹業務システムの開発・導入・運用サポート、小売業向け基幹システムや販売時点情報管理(POS)システム、IT相談サービス「HiT―CARE(ヒット―ケア)」などを提供している。

神川常務は今後の海外での事業展開について、「現時点で具体的な計画はないが、タイを拠点に近隣諸国にサービスを提供することは可能」と述べた。

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