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【シンガポール】HISが地方産品の販売促進、伊勢茶から[商業](2019/08/07)

旅行大手エイチ・アイ・エス(HIS)は6日、シンガポールのスーパーで三重県の伊勢茶の店頭販売を開始した。日本の物産品の海外での販売促進を支援する取り組みの一環。今後は世界71カ国・地域に持つ拠点のネットワークを生かし、さまざまな物産品を拡販していく考えだ。

伊勢茶の販売コーナーは、南部のハーバー・フロントで同日開業した国内最大級のスーパー、NTUCフェアプライス・エクストラの店舗に設置した。三重県の川原製茶が製造する茶葉、ティーバッグ、ペットボトル入りのお茶など7種類の商品を取り扱っている。

これまでアラブ首長国連邦(UAE)ドバイ、イラン、アゼルバイジャンなどで、飲食店関係者やホテルなど向けに営業したり、展示会に出展したりした実績はある。小売店で消費者に直販するのは今回が初めてという。

HISは旅行会社として日本の地方自治体の観光プロモーションを支援している。今年6月には、インバウンド(訪日外国人)の誘致と日本の物産品の販促を支援する地方創生部門を立ち上げていた。

インバウンドだけでなく、海外で物産品を拡販する余地が大きいことから、自治体を支援する形で商品販売に乗り出す。世界各地に置く旅行代理店の営業窓口の大半が直営で、現地の宿泊施設・飲食店との結びつきが強い。こうしたチャンネルを通じて、食品を中心とした日本の産品を売り込んでいく方針だ。

HISで海外向けの地方産品販売事業を担当する高澤直之氏はNNAの取材に対し、「世界各地で現地に根を張り、ホテルなどと交渉力を持つのが当社の強みの一つ」と説明。積極的に日本の食品を海外にPRしていく意向を示した。

三重県農林水産部農産園芸課の山本一輝主幹によると、HISは日本の商社とは異なる販路と強い営業力を持つことから、伊勢茶を海外に売り込むにあたり、県のプロモーション事業を委託した。

HISのシンガポール法人、HISインターナショナル・トラベルの山岡信二統括支店長は「海外の販路開拓は、東南アジア、中東、欧州が中心だ。日本からの産品輸出が比較的少ない地域に向けて、HISのネットワークを生かして営業する」と意気込みを語った。

HISは、シンガポールのチャン・チュンシン貿易産業相(右から3人目)に伊勢茶をPRした=6日、シンガポール南部(NNA撮影)

HISは、シンガポールのチャン・チュンシン貿易産業相(右から3人目)に伊勢茶をPRした=6日、シンガポール南部(NNA撮影)

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