【マレーシア】国営電力テナガ、発電と電力小売りを分社へ[公益](2019/08/01)
マレーシアの国営電力テナガ・ナショナル(TNB)は、組織改編の一環として、国内発電事業と電力小売り事業をそれぞれ新設の完全子会社ジェンコ(GenCo)とリテールコ(RetailCo)の2社に移管する計画を明らかにした。電力小売り自由化を含む電力市場改革に備えるためで、分社化によって事業効率を高め、中長期的な業績の改善を目指す。
TNBがマレーシア証券取引所(ブルサ・マレーシア)に開示した声明によると、分社化は2020年9月末までに完了する見込みだ。TNBの取締役会が計画を承認した。TNBは、両事業の関連子会社の株式譲渡契約と資産譲渡契約をジェンコ、リテールコと締結する。ジェンコとの契約は20年6月末に結ぶ予定。
TNBは分社後、高圧のナショナルグリッド(全国送電網)の運営と配電や、海外での電源開発などを事業の柱とする。ジェンコは国内発電所の所有、管理、運営や、再生可能エネルギー事業、発電所の保守、ばら積み貨物船用ターミナルの運営、リテールコは消費者への電力小売りや料金の徴収、顧客サービスなどを手掛ける予定だ。
ジェンコとリテールコの資産と債務は、昨年末時点の帳簿価額に基づけば、それぞれ121億4,000万リンギ(約3,200億円)、18億4,000万リンギとなっている。