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【マレーシア】2Qの求人数は前年同期比2%減、JAC[経済](2019/07/31)

人材紹介大手JACリクルートメントが30日発表した2019年第2四半期(4~6月)のホワイトカラー人材市場の動向によると、同社のマレーシアでの求人数は前年同期比2%減となった。前期比では1%増だった。

JACリクルートメント・マレーシアの大西信彰社長によると、例年、求人活動は第1四半期(1~3月)に最も活発化し、年央・年末にかけて落ち着いていくが、マレーシアでは前期比で1%増となった。米中貿易摩擦の影響やマレーシア経済の停滞を受け、第1四半期は採用活動が鈍化、あるいは様子見状態だったが、第2四半期にサービス業やIT系企業を中心に採用意欲が高まったと分析した。結果として、前年同期比では2%減にとどまったとの見方だ。

日系企業の求人数は、前年同期比11ポイント低下、前期比14ポイント低下と大きく落ち込んだ。マレーシア日本人商工会議所(JACTIM)が実施した19年上半期(1~6月)の景気動向調査では、「よい」と答えた企業数から「悪い」と答えた企業数を引いた指数「業況判断DI」はマイナス18.9と、16年下半期(7~12月)以来の低水準を記録し、企業の景況感が採用意欲にも響いたとみている。

ただ、引き続き外資系SSC(シェアードサービスセンター=グループ企業や企業内のコーポレート機能を1カ所に集約し、受託するサービス)や地場IT企業からの求人の引き合いは強く、外資系企業の求人数は前期から16ポイント、地場は40ポイントそれぞれ上昇した。

職位別の求人数は、課長職以下のジュニア(月収3,000~5,000リンギ=7万9,100~13万1,800円)が前年比7ポイント上昇、シニアマネジャーやゼネラルマネジャー(GM)といった高給クラス(9,000リンギ)は6ポイント低下となった。

■実践的な英語力、求める傾向

求職者の動向については、大西氏は「製造業でマレーシアへの生産拠点移管の動きはあるものの、雇用増大につながるまでしばらく時間がかかることもあり、求職者も転職時期を見極め、慎重姿勢が伺える」と指摘した。

このため、求職者の希望給与と企業の提示給与との隔たりに対して許容限度が低下しており、「提示された待遇に安易に妥協せず、希望を粘り強く交渉する求職者が増えている」とみる。

多言語人材については、これまでと同様に売り手市場が続いており、給与水準が前年比で15%程度上昇しているという。採用企業はより慎重に人選を進める傾向にあり、「日本人候補者についても、実践的な英語を明確に要求する企業が増えているとの実感がある」と話す。

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