【日本】製造業のシステム導入、経営層を巻き込め[IT](2019/07/31)
製造業向けの情報システムなどを手掛ける東洋ビジネスエンジニアリング(B―EN―G=ビーエンジ、東京都千代田区)は24日、製造業がグローバルシステムを構築するためのセミナー「事例で学ぶ!グローバルシステムの動向 海外進出している製造業が将来のために、いま考えるべきこと」を都内で開いた。スカイライトコンサルティング(東京都港区)の田邊誉ディレクターは「グローバルでのシステム導入には、経営層らの問題意識をインタビューで引き出し、彼らの問題意識を整理しながら合意形成していくことが重要だ」などと、豊富な事例を交えながらシステム構想策定のコツなどを話した。
スカイライトコンサルティングは、特定のERPシステムなどのソリューションにとらわれない、顧客企業にとっての最適な解決方法を導き出すコンサルティングを得意としている。田邊氏は、製造業各社が日本本社主導で進めるグローバルにおけるシステム構想策定のポイントについて特別講演。現状を把握するためにトップをはじめ役員全員にインタビューするが、「システムありきから出発するのではなく各役員が考える現在の課題や将来像を引き出し、役員間の合意形成を意識した全体の取りまとめを行い、それを“錦の御旗”にすることが、システム導入の勘所になる」と指摘した。
また、システム導入はグローバルサプライチェーンでもある世界各地の拠点を横軸で展開していく必要があるものの、日系の製造業は各国・地域の市場を主眼に置いた現地最適化を目指した縦軸型の事業となっていることが多く、各社がサプライチェーンと現地最適をどれくらいの割合で重視しているかを見極めることもポイントになると話した。
引き続き、ビーエンジのプロダクトコンサルティング部の西村福太郎コンサルタントが「グローバルシステム構築の勘所と実践事例」をテーマに講演。海外各拠点へのシステム導入では、「現地法人にもメリットが出ることを訴え、現地担当者の協力を得ることが重要」などと話した。
セミナーには製造業の経営企画部門や生産管理部門、情報システム部門の役員や担当者など20人余りが参加し、熱心に聞き入っていた。