【香港】条例巡る衝突、大湾区政策に不利か=地元紙[経済](2019/07/16)
15日付の香港経済日報は、中国本土への容疑者引き渡しを可能にする「逃亡犯条例」改正案を巡る香港での衝突が、粤港澳大湾区(広東省と香港、マカオの経済協力を強化する構想)の政策実施に不利になるか、と題する社説を掲載した。
記事では、香港社会が政治的に敏感な状況にある中、仮に大湾区政策を推し進めても、必ずしも効果を発揮するとは限らない、とする建制派(親中派)関係者の談話を紹介した。同関係者は大湾区の発展は長期的な事業であるとの認識も示した。
大湾区の政策を巡っては、広東省が先に3年行動計画を発表。その中で、国民を格付けする中国政府の「社会信用システム」に言及されていたことで、香港でも導入されるとのうわさが広がった。
これに対し、香港政府政制・本土事務局の聶徳権(パトリック・ニップ)局長は交流サイトを通じて、「社会信用システムのウェブサイトから香港、マカオ、台湾の項目を削除した」と発表した。ただこの発表に、複数の市民が政府への信頼感を弱め、香港が大湾区に融合していくことを警戒する書き込みをしているという。
一方、大湾区の発展に伴い、多くの若者がそのメリットに気付くとする建制派のコメントも紹介した。
中国国務院(中央政府)は今年2月、粤港澳大湾区に関する計画綱要を発表した。香港、マカオ、広州、深センを大湾区の主要都市に据え、このうち香港では国際的な金融、国際航空ハブなどとしての地位を高める方針を示している。