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【タイ】ローソン、合弁設立でBTS30駅に出店へ[商業](2019/07/01)

タイの高架鉄道(BTS)運営・不動産開発会社BTSグループ・ホールディングス傘下の広告会社VGIグローバル・メディアは6月28日、タイでコンビニエンスストア「ローソン108」を展開するサハ・ローソン、消費財大手サハグループの持ち株会社サハ・パタナ・インターホールディングと合弁会社を設立することで合意した。合弁会社はBTSの駅に独占的にローソン108を出店。向こう2~3年で主要駅30駅に店舗を構える計画だ。

合弁会社設立の合意書に署名したサハ・ローソンの廣瀬社長(左)、サハ・パタナ・インターホールディングのビチャイ社長(中央)、BTSグループ・ホールディングスのカビン最高経営責任者(CEO)=6月28日、バンコク(NNA撮影)

合弁会社設立の合意書に署名したサハ・ローソンの廣瀬社長(左)、サハ・パタナ・インターホールディングのビチャイ社長(中央)、BTSグループ・ホールディングスのカビン最高経営責任者(CEO)=6月28日、バンコク(NNA撮影)

合弁会社「SLVリテール」は、資本金2,000万バーツ(約7,030万円)。サハ・ローソンが60%、VGIグローバル・メディアが30%、サハ・パタナ・インターホールディングが10%出資する。

サハ・ローソンは昨年12月、BTSのトンロー駅に、BTS駅1号店をオープン。これまでにサパンクワイ、プルンチット、戦勝記念塔(ビクトリーモニュメント)、ベーリングの計5駅に出店している。廣瀬浩一社長は「合弁会社を通じて、向こう2~3年でBTSの主要30駅への出店を計画している」と明らかにした。

BTSの駅の店舗はキヨスク型で、既存店舗の面積は10~32平方メートル。トンロー駅店が最も大きく、6月28日にオープンしたベーリング駅店が最も小さい。売れ筋商品はソフトドリンクと飲料水で、日本のキヨスク店舗では扱っていないおでんや揚げ物の販売も好調という。廣瀬社長は「BTS駅の既存店の売り上げは当初の予想を上回っている」と話し、品ぞろえを順次進化させていく考えを示した。

■年末までに150店体制目指す

ローソン108の総店舗数は、路面店や首都圏鉄道「ブルーライン(MRT)」の駅の店舗を含め今年1月の99店から現在は123店まで増加。廣瀬社長によると、BTS駅の店舗数は今年末までに15店にする計画で、総店舗数は150店を目指す。

同社長は、「タイのコンビニ市場で大手と競争するのは骨が折れる。ローソン108は店舗数が少ないため、認知度を上げていかなければならない」とし、おでんや揚げ物など同社が強みとする商品で競合他社と差別化を図るとコメント。一方で、タイのコンビニ市場は、飽和状態にある日本や韓国、台湾などと異なり成熟しきっておらず、所得向上に伴い消費が拡大していることから、まだ伸びしろはあるとの見方を示した。

BTSトンロー駅にある「ローソン108」=6月29日、バンコク(NNA撮影)

BTSトンロー駅にある「ローソン108」=6月29日、バンコク(NNA撮影)

サハ・ローソンはサハグループとローソンの合弁会社で、2013年3月にローソン108の1号店をオープン。大半が直営店で、タイの給油所大手サスコによるフランチャイズ(FC)店舗が20店程度ある。廣瀬社長によると、個人事業主によるFC展開も視野に入れているという。

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