【マレーシア】投資PNBの資産残高、3千億リンギ突破[経済](2019/06/26)
マレーシア政府系投資会社プルモダラン・ナショナル(PNB)は24日、2019年5月期決算を発表し、5月31日時点での運用資産残高(AUM)が3,014億リンギ(約7兆7,650億円)と、初めて3,000億リンギの大台を突破したと発表した。前年同期比では7%の増加。25日付エッジ・ファイナンシャル・デーリーなどが伝えた。
内外の厳しい経済環境により、純利益は同1.4%減の53億リンギに落ち込んだが、ゼティ・アクタル・アジズ会長は「PNBに対する国民の強い信頼感を反映し、AUMは順調に増加して3,000億リンギという大台を突破した」とコメント。PNBを取り巻く経営環境の厳しさは今後も続く可能性が高いとしながらも、リスク軽減を目的とした資産の多角化やメインとなる投資先企業の業績向上などに取り組んでいきたいとの意向を示した。同会長によると、多角化戦略の効果は既に表れ、5月末時点での債券収入比率は17年の5.8%から7.4%、国外資産比率は2.4%から4.9%に拡大したという。
PNBは、今後も海外の上場株(総資産に占める比率は4.9%)や英国をはじめとした国外の不動産、プライベート・エクイティ(PE)分野への投資を進めていく考えだが、直接的な不動産開発は、クアラルンプール中心部に建設する超高層ビル「PNB118」(118階建て)が現時点で最後になると説明。保有する不動産(約3,642ヘクタール)は一定の利益を確保した後で売却する方針を示した。
PNB118は既に75階部分まで工事が進んでいるもよう。年内には90階部分までが完成する見込みだ。完工は21年初めの予定。