【ベトナム】商工中金、越事業の支援を強化=交流会開催[金融](2019/05/27)
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商工組合中央金庫は24日、ベトナム・ホーチミンのホテルで、第2回「ホーチミン交流会」を開催した。2年ぶりの開催で、セミナーと懇親会に約130人が参加した。商工中金は、顧客企業のベトナム展開支援の強化方針をアピールした。
商工中金の佐藤隆久常務は、高い経済成長と豊富な人口などを背景として、ベトナムは生産拠点または消費市場としての重要性が急速に高まっていると指摘。親日的な風土や、米中貿易摩擦による生産拠点移管の動きなども追い風となり、日系企業によるベトナム展開が拡大し続けるのは確実だとみており、「商工中金は引き続き、顧客企業のベトナム進出と事業継続を安定的なファイナンスと情報提供の両面から支援していく」と強調した。商工中金のベトナム顧客数は400社以上あり、5年前の2倍以上に増加している。
支援対象となる企業も、製造業に加えてサービス業なども増加していくとみている。商工中金は今年3月、勝浦ホテル三日月(千葉県勝浦市)が中部ダナン市で開始したホテル・リゾート事業に対し、総額90億円の無担保による協調融資(シンジケートローン)を組成した。商工中金が取りまとめる海外投資のシンジケートローンとしては過去最大級の組成額だった。今後も同様の案件が増えるとみている。
支援体制の強化に向けた施策の一環として、昨年9月にはベトナム外国投資庁(FIA)とも提携している。佐藤常務は交流会に先立ち、ハノイでFIA長官とも会談。新規に進出する企業だけでなく、進出済みの既存企業へのサポートも強化していく方針を確認したという。
セミナーでは、同国におけるコンプライアンス(労務・贈賄防止)について、森・濱田松本法律事務所ホーチミン・オフィスの江口拓哉弁護士と西尾賢司弁護士が講師となってポイントを解説した。まずベトナムでは、◇コンプライアンスが発展途上にある◇日本の本社におけるコンプライアンス基準がそのまま妥当しないケースもある――ことを認識するよう説明。さらに、◇コンプライアンス順守のために社内そして本社とのコミュニケーションが重要◇頻繁に行われる法改正の動向も注視する必要がある――と指摘した。