【ベトナム】日野、ハノイ工科大など2校にトラック寄贈[車両](2019/05/24)
日野自動車は23日、ベトナムのハノイ工科大学に小型トラック「300シリーズ」(日本名:日野デュトロ)を1台寄贈した。きょう24日には、北部フンイエン省のフンイエン技術師範大学にも1台寄贈する。自動車産業の人材育成の一環で、教材として使用される。
日野自動車は教育支援プログラムを通じて各国への社会貢献活動を推進しており、その一環として、ベトナムでは人材派遣会社ワークスタッフ(徳島市)を介して今年4月から両校と人材交流を開始。ハノイ工科大学からは、卒業生4人を日本の本社で採用し、エンジニアとして設計を担当している。
日野自動車の柏木拓郎常務は、2年前に初めてハノイ工科大学を訪問した際のことを振り返り、「実習場で古いトラックが使われているのを目にし、優秀な学生たちに最新のトラックを使ってもらいたいと感じた。これがハノイ工科大学との交流の始まりとなった」と説明。商用車業界では「CASE(ケース)」(Connected、Autonomous、Shared、Electric)という取り組みが加速していることに言及し、「今後もハノイ工科大学の優秀な人材にCASEをはじめとする先進技術の分野で活躍してもらうことを期待している」と語った。
日野自動車は、日本の大・中型トラック市場において46年連続でトップシェアを達成している。ベトナムでは、1996年6月に住友商事、ベトナム自動車工業総公社(ビナモーター)と共にハノイに日野モータース・ベトナムを設立。ベトナム国内におけるトラックとバスの累計販売台数は約3万4,000台に上る。現在、世界23カ国に生産拠点を構え、90を超える国と地域で販売している。
ワークスタッフは1985年設立。日本国内の111カ所に営業拠点を置き、工業系をメインに人材派遣サービスを展開している。登録者数は16万7,300人に上り、昨年の売上高は274億円に達した。
ベトナム法人ワークスタッフ・ベトナムの山部剛社長によると、2016年にベトナムの人材を日本に派遣するための取り組みを開始。地場企業の紹介でハノイ工科大学を訪れて以来、交流を深め、企業説明会や面接を開催してきた。当初は担当者らが出張ベースで事業を展開してきたが、日本でベトナム人エンジニアの需要が急激に拡大し、職種の多様化や個別性の要求が高くなってきたことから、昨年8月にワークスタッフ・ベトナムをハノイに設立した。