【ミャンマー】建設省、高速道路のBOT契約を見直し[運輸](2019/05/08)
ミャンマー建設省傘下の高速道路局は、軍政時代に民間企業と締結したBOT(建設・運営・譲渡)方式に基づく高速道路の建設・保守管理契約の見直しを進めている。同契約に基づいて建設された高速道路の多くが規格を満たしていないことが判明したため。新たな契約内容は月内に発表される予定。フロンティア・ミャンマー(電子版)が伝えた。
問題となっているのは、軍政時代の2011年以前に民間企業25社と交わしたBOT契約で、対象は全国の高速道路61区間(総延長5,224キロメートル)。
最大都市ヤンゴン管区選出のチョー・トゥエ議員が昨年1月の連邦議会で、地場財閥ザイカバーの契約違反を指摘したことが見直しのきっかけとなった。ザイカバーは高速道路の建設工事が完了していないにもかかわらず通行料を徴収していたが、建設省からの徴収中止勧告を受け、資金不足を理由に工事を中断したとされる。
ミャンマーでの道路に関するBOT契約については、アジア開発銀行(ADB)が16年に「高速道路局が使用している契約のひな型には大きな不備がある」などと指摘していた。
高速道路局は、改正したBOT契約書を建設省、計画・財務省、司法長官府に既に提出した。新たなBOT契約では、全ての高速道路は東南アジア諸国連合(ASEAN)の最低規格であるクラス3を満たしていること、2車線で道幅は5.5メートル以上であることなどを規定したという。
既存契約を履行していない企業に対する措置は、通行料徴収の中止勧告程度にとどまっている。チョー・トゥエ議員をはじめとする複数の議員からは「もっと厳しい措置をとるべき」との声が上がっている。