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【香港】利福国際の18年4割減益、本業は堅調[商業](2019/03/05)

そごう香港などを経営する香港の小売り大手、利福国際集団(ライフスタイル・インターナショナル・ホールディングス)が4日発表した2018年12月期本決算は、純利益が前年比41.2%減の16億9,007万HKドル(約241億円)だった。期間中の投資損益が赤字に転じたほか、投資不動産の評価益が大幅に減った影響を受けた。一方、本業は好調を維持した。

金融市場の悪化に伴い、利息・投資による損益は前年の7億3,506万HKドルの黒字から2億7,097万HKドルの赤字に転落した。投資不動産の評価益は7割減少。売却した利福地産発展(ライフスタイル・プロパティーズ・デベロップメント、現・三盛控股集団)から4億2,484万HKドルの利益を前年に計上していたことも響いた。

売上高は16.1%増の43億5,801万HKドルだった。上半期(1~6月)の好調な小売市況が米中貿易摩擦などを受けた下半期(7~12月)の不振を一部相殺し、伸びを支えた。このうち、そごうコーズウェーベイ(銅鑼湾)店は10.5%の増収。1回当たりの平均購入金額は、前年比5.6%増の912HKドルとなった。

半年に1度の「感謝周(サンクフル・ウイーク)」セールの2回分による売り上げは全体の27%を占めた。

そごう尖沙咀店は30.3%増収と強く伸びた。化粧品とスキンケア製品の売り上げが39.8%増え、全体の伸びをけん引した。

ただコーズウェーベイ店は上半期の20.1%増収、尖沙咀店は42.8%増収からそれぞれ伸びが鈍化した。

日本食レストラン「和三昧」による売り上げは4.1%増の約7,140万HKドルだった。

九龍・啓徳(カイタク)発展区の用地で建設するツインタワーは、22年末までに完成する見通しだ。同年6月末までとしていた18年中間期から延びた。商業施設やオフィスが入り、延べ床面積は計10万1,000平方メートル。

同社は、米中貿易摩擦の過熱や中国本土経済の成長鈍化、人民元の下落、株安・住宅安などを悪材料に挙げ、19年の見通しに慎重な姿勢を示した。

■中国事業は25%増益

利福国際系で中国事業を手掛ける利福中国集団が同日発表した18年12月期は、純利益が前年比25.4%増の3億3,807万人民元(約56億5,200万円)、売上高が3.2%減の11億8,375万元だった。関係会社からの利益貢献が増えた上、スキンケア商品の販売が好調だった。

上海市に持つ百貨店「上海久光」は2.2%減収。周辺で新開業した商業施設に客足が流れた。1日当たりの来店者数は1.6%減少した。江蘇省蘇州市の「蘇州久光」も0.7%減収。ただ2百貨店ともに1回当たりの平均購入金額は4~8.4%増えた。

今後は来店者数の増加に向けたイベントを打ち出すほか、中高級品の需要をつかむためのアプリも投入する計画だ。

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