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【台湾】日本水産、高雄・大明食品の第2工場を稼働[食品](2019/03/05)

日本水産(以下、ニッスイ)のグループ企業で、ニッスイブランドの冷凍枝豆を生産する高雄市の大明食品工業の第2工場が、1月から本格稼働した。第1工場の老朽化を背景に、新工場の設置で多様な規格の商品生産の効率化を図る。第2工場の生産能力は年間最大1万2,000トン。

第2工場は高雄市大寮区の大発工業区に設けた。延べ床面積は9,107平方メートル。

同工場では、色彩選別機を導入し、きょう雑物や変色した豆の除去などを行う選別工程を効率化するほか、自動包装機を投入して包装能力の増強を図る。また、1時間当たり8トンの凍結能力を持つトンネルフリーザーを導入するなど、機械による自動化と人による目視選別を両立させる。

このほか、LED照明の導入や、建屋屋上にソーラーパネルを設置するなど環境にも配慮した。

ニッスイによると、既存の第1工場の老朽化を背景に、生産能力の向上、安全性や衛生管理をさらに追求するために第2工場の設置を決めたという。日本の冷凍枝豆市場の拡大とともに、食べ切りの少量品から業務用向けの大容量品まで商品規格も多様化しており、第2工場では包装ラインの充実を図ることで、効率的な生産を可能にした。第2工場をメイン工場とし、第1工場は主に繁忙期に限り、半製品の製造などを行う考え。同社の冷凍枝豆は全て日本向けに販売する。

■農家と密接な協力が強み

大明食品工業は1972年の設立で、資本金は1億台湾元(約3億6,000万円)。2007年12月からニッスイのグループ企業となり、ニッスイは25%を出資している。

ニッスイの担当者はNNAに対し、「おいしい冷凍枝豆の生産に最も重要なことは良質な生鮮枝豆を確保すること。大明食品工業では、工場付近に約410ヘクタールの農地を保有する栽培農家から、収穫後間もない高鮮度の枝豆を工場に速やかに搬入し、鮮度を失う前に加熱・冷凍して製品化するなど、密接な協力体制を構築しているのが最大の強み」と説明した。

ニッスイは大明食品工業と、1980年代から枝豆の生産委託で提携し、協力関係を築いてきた。2007年の出資でさらなる関係強化を図った形。

大明食品工業はグループ企業として、1996年に中国福建省ショウ州市(ショウ=さんずいに章)に大福(長泰)食品工業、2002年に浙江省慈渓市に大越(慈渓)食品工場を設立し、枝豆やブロッコリー、ソラマメ、インゲンなどの冷凍野菜を生産している。

大明食品工業の第2工場(日本水産提供)

大明食品工業の第2工場(日本水産提供)

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