【ミャンマー】初の日緬合作映画、復元したい=地元団体[媒体](2019/02/26)

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ミャンマーで国産映画のアーカイブ(保存・活用し、未来に伝達すること)を進める団体「セーブ・ミャンマー・フィルム」が、1930年代後半に製作された日本とミャンマーの初の合作フィルム映画「にっぽんむすめ(英語タイトル:Japan Daughter)」の復元、ミャンマー上映を目指し、同映画を所蔵する日本の国立映画アーカイブに協力を持ち掛けている。

日本とミャンマーの初めての合作映画「にっぽんむすめ」のワンシーン(A1Film提供)

日本とミャンマーの初めての合作映画「にっぽんむすめ」のワンシーン(A1Film提供)

「にっぽんむすめ」は、「ミャンマー映画界の父」といわれる故ニー・プー監督による1936年の作品。ミャンマーの有声(トーキー)映画としては最も古い。85分で、東京とラングーン(現在のヤンゴン)間の無着陸飛行を目指すミャンマー人の青年と日本人女性の恋愛模様を描いている。

「にっぽんむすめ」のフィルムは、太平洋戦争後に連合国軍総司令部(GHQ)に接収された後、1992年に返還、当時の東京国立近代美術館フィルムセンター(現在は国立映画アーカイブとして独立)に保存。国立映画アーカイブのフィルムによる一般向けの上映は97年を最後に行われておらず、現在は「音も映像も老朽化が激しく、劇場での再上映には復元が必要」(関係者)という。

■2020年の節目に上映願う

ミャンマーでの再上映を願う「セーブ・ミャンマー・フィルム」の設立者、オッカーさん(32)は「ニー・プー氏の遺族が運営する映画会社から現物が存在することを聞き、日本に飛んだ」。昨年10月に国立映画アーカイブを訪ねて全編を視聴させてもらい、西川亜希・映画室特定研究員らに上映実現への思いを打ち明けた。「ミャンマーで最初の無声(サイレント)映画が製作されてから100年の節目にあたる2020年に上映したい」という。

ニー・プー氏は「にっぽんむすめ」の製作を機に知り合った日本人女性と結婚し、人生をともにした親日派でもあった。オッカーさんは「日本とミャンマーを結ぶ映画であることも重要だ」と話した。

「にっぽんむすめ」のミャンマー上映が実現するかどうかは未定だが、国立映画アーカイブとセーブ・ミャンマー・フィルムは、オッカーさんのアプローチを機に急速に交流を深めた。今月16日には国際交流基金の支援を得て、最大都市ヤンゴンで、フィルム・アーカイブの重要性や進め方を考える初のイベントを実施。検閲を含む映画産業全般を管轄するミャンマー情報省も協力した。

会場では、昨年に国立映画アーカイブが日本で唯一の国立映画機関として独立するまでの道筋をつくった栩木(とちぎ)章さん(前東京国立近代美術館フィルムセンター主幹)、国立映画アーカイブの西川特定研究員が、映画アーカイブの重要性や実際の映画フィルム・資料などの保存・公開の現状などを語った。

栩木さんは「日本での(国立映画アーカイブを現在の形にするまでの)困難や達成できた成果をミャンマーの皆さんと共有していきたい」と話した。

セミナーで意見を述べるフリー・アーキビストの栩木氏(左から2人目)、ミャンマーの団体「セーブ・ミャンマー・フィルム」のオッカー氏(左端)ら=16日、ヤンゴン(NNA)

セミナーで意見を述べるフリー・アーキビストの栩木氏(左から2人目)、ミャンマーの団体「セーブ・ミャンマー・フィルム」のオッカー氏(左端)ら=16日、ヤンゴン(NNA)

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