【マレーシア】千葉県、KLでサツマイモの販促フェア[農水](2019/01/14)
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千葉県は12日、マレーシアのクアラルンプール(KL)市内の高級スーパー3店舗で同県産サツマイモ「べにはるか」(品種)の販促フェアを開催した。期間は20日まで。うち市内中心部のスーパー「B.I.Gリンク店」では、12~13日にサツマイモの栽培研究に取り組む県立農業大学校の学生が炊飯器を使ったサツマイモパンケーキの実演、試食販売などを行った。
過去数回のフェアを通じて、日本では収益性の問題から農家に敬遠されやすい小ぶりのSサイズの需要がマレーシアなど海外では高いことが分かっている。ただ、今回は新たな取り組みとして、その他のサイズにも需要があるかを確かめるため、S~XLサイズまで幅広く販売した。
地元消費者に人気の焼き芋では小ぶりのイモが中心になるため、大きいサイズを活用するためのレシピ案として、サツマイモをさいの目に刻んで加えるパンケーキを披露した。日本ではサイズごとに販売価格が異なるが、マレーシアではサイズごとの価格設定が受け入れられるか不明で、今回はキロ単位での統一価格とした。
同校でSサイズのイモを効率的に収穫する研究に取り組んできた小松田裕史さん(22)は、今年3回目の参加。農家出身ではないが就農を希望しており、県内の農業生産法人への就職が内定しているという。卒業後は、サツマイモだけでなく、幅広く露地野菜を栽培する目標を掲げている。
■輸出は横ばいに、日本産同士の競合も
千葉県からマレーシアへのサツマイモの輸出量は、昨年1~11月で125トン。同県では輸出向けのサツマイモの大半をマレーシアに仕向けている。
千葉県農林水産部流通販売課の森彩子副主査によると、サツマイモの輸出量は毎年右肩上がりで急増していたが、昨年から前年(2017年、年間139トン)並みのペースに落ち着いているという。同県では、KL市内の日系小売店や高級スーパーなど、日本食材が売れやすい店舗を中心に商品を供給してきたが、現在の輸出量は「各店舗に十分行き渡る量」(森氏)に達しており、今後は個店ごとの売り上げを伸ばすことが課題になる。
また、日本産サツマイモ同士の競合も始まっている。マレーシアで日本産サツマイモの人気が高いことを聞きつけた他の地方自治体が、商機を見込んで各県産の商品を輸出し始めたためだ。
地元消費者の商品への視線も厳しくなっているといい、今後は販売にますますの工夫が求められそうだ。