【ベトナム】スワンベーカリー、HCM市に2店オープン[サービス](2019/01/08)
ヤマトホールディングスの特例子会社で、障害者の自立や社会参加の支援としてパンの製造・販売などを手掛けるスワン(東京都中央区)は7日、ベトナムに同社初の海外フランチャイズ店「スワンカフェ&ベーカリー」を2店同時にオープンした。同日にホーチミン市1区の「グエンチャイ店」でグランドオープンのセレモニーが開かれた。
このほどオープンしたのは、ホーチミン市1区グエンチャイ通りの「グエンチャイ店」と同区レロイ通りの「レロイ店」の2店。グエンチャイ店の店舗面積は153平方メートル、1~3階に73席を設けている。レロイ店の店舗面積は71平方メートルで、座席数は28席。
販売するパンの原料はすべて日本から輸入している。オープンに先立ち、「アンデルセン」や「リトルマーメイド」を展開するタカキベーカリーが当地で技術指導を行った。
スワンは、配達・配送サービスなどを手掛ける地場365トレーディング・ロジスティクスと加盟店契約を締結し、ベトナムでの開業に至った。2月をめどにパンのデリバリー販売も開始する予定という。
スワンの松本行雄社長はあいさつで、「ヤマトグループと365トレーディングの合弁会社設立の際、365トレーディングのディン・ヴィン・クォン社長がスワンベーカリーを訪れ、経営理念に共感。同氏からベトナムでの開業のオファーを受けた」と経緯を説明した。セレモニーには「ベトちゃんドクちゃん」として親しまれた結合双生児で、日本で分離手術を受けたグエン・ドクさんも出席し「障害者には希望を持って働ける場がとても重要」と、感謝の意とエールを送った。
スワンは1998年に1号店の銀座店をオープン。障害者の雇用の場の提供と経済的自立、社会参加の支援を目的としたパンの製造・販売および、ベーカリーの運営などを手掛けている。現在、日本国内には直営店4店舗と加盟店が23店舗あり、合わせて350人以上の障害者を雇用する。
一方の365トレーディングも、障害がある子どもたちへの奨学金給付や同グループが手掛けるベトナム料理レストランで貧しい人々に昼食を提供する支援などを実施している。
ベトナムの店舗では現在、2人の障害者を雇用。今後も障害者や教育・就職の機会がなかった人たちの雇用を促進する。クォン社長は、まずはホーチミン市を中心に2020年までに10店舗の展開を目指すと話した。