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【フィリピン】伊藤忠、ドールの果物かすでバイオガス発電[農水](2018/12/14)

伊藤忠商事は13日、傘下の果物生産大手ドール・フィリピンが、複合企業メトロ・パシフィック・インベストメンツ(MPIC)傘下のスララ・バイオガス・ベンチャーズ(SBVC)と16年間の長期エネルギー売買契約を締結したと発表した。ドール製品の製造過程で生じるパイナップルの残りかすを活用してバイオガス発電を行い、電力コストの削減につなげる。

ドールは、パイナップルの残りかすをバイオガスの原料としてSBVCに供給する。SBVCはバイオガスを製造し、ガスとバイオガス発電による電力を固定価格でドールに供給する。

ドールは工場をミンダナオ島に置き、電力料金の高騰が経営課題のひとつとなっている。伊藤忠商事の広報担当者はNNAに対し、「ドール・フィリピンの電力コスト全体の2割相当をバイオガス発電で賄い、二酸化炭素の排出量を年間で10万トン以上削減できると見込んでいる」と話した。

SBVCは、ミンダナオ島南コタバト州スララとポロモロックにあるドールの工場内にバイオガス発電設備を建設する。2020年に稼働し、ガスと電力の供給を開始する予定。MPICは11月、現在は化石燃料を使っている2カ所の工場の発電施設で、年間5,000万キロワット時の発電を可能にすると明らかにしていた。同社が手元資金から約10億ペソ(約21億円)を投じるという。

ドール・フィリピンの工場内に、SBVCがバイオガス発電設備を建設する=南コタバト州(伊藤忠商事提供)

ドール・フィリピンの工場内に、SBVCがバイオガス発電設備を建設する=南コタバト州(伊藤忠商事提供)

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