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【シンガポール】製造業景況感、9四半期ぶりにマイナス[経済](2018/11/01)

シンガポール経済開発庁(EDB)が10月31日発表した2018年10月~19年3月期の製造業の景況感調査で、業況判断指数(DI)はマイナス1となり、9四半期ぶりにマイナスを記録した。

DIは、前期と比べ業況の好転を予想する企業の割合から悪化を予想する企業の割合を引いた値。今回の調査は、9~10月に製造業425社を対象に実施した。回答率は93%。

18年10月~19年3月期の景気が18年7~9月期と比べて「改善する」と回答した企業は全体の9%、「悪化する」は10%、「変わらない」は81%だった。

DI値を業種別に見ると、精密エンジニアリングがマイナス21となり、前回調査(7月発表)のプラス6から大幅に悪化した。機械・システムはマイナス5からマイナス44になった。

電子もマイナス7となり、前回調査のプラス10からマイナスに転じた。情報通信機器・家電がマイナス57で、全業種を通じて最大のマイナスとなった。EDBによると、米中貿易摩擦などで先行き不透明感が強まっていることが背景にある。

一方で、輸送エンジニアリングはプラス21となり、主要6業種の中で先行きを楽観視する企業が最も多かった。航空がプラス25、海洋・オフショアがプラス21となった。海洋・オフショアでは原油価格の上昇を受け、受注増を期待する石油・ガス関連機器メーカーが多かった。造船では修理案件の増加が見込まれている。ただオフショアは油田開発用リグ(掘削装置)の発注に一服感が出ている。

バイオ医学はプラス6。医療技術がプラス25となった。輸出需要の拡大基調が続くと予想されている。

10~12月期の生産量のDIはプラス2。前回調査のプラス5を下回ったものの、プラス圏を維持した。精密エンジニアリングがマイナス23、化学がマイナス12と不振だった一方、輸送エンジニアリングはプラス19と楽観視する見方が多かった。輸送エンジニアリングでは航空業界でのエンジン修理や、海洋・オフショア業界での船舶修理の発注増が見込まれている。

同期の雇用DIはマイナス1で、前回調査のマイナス2からわずかに改善した。バイオ医学(プラス16)で採用意欲が高まっているものの、精密エンジニアリング(マイナス5)や一般製造業(マイナス3)などでは採用に消極的な企業が多い。

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