【ミャンマー】タンリン工科大で初の就職フェア、日本支援[経済](2018/10/18)
ミャンマー最大都市ヤンゴン近郊のタンリン工科大の学生が参加する初の就職フェアが17日、同大で開催された。機械工学、電子などを専門に学んだ最終学年の学生約150人が訪れ、ティラワ経済特区(SEZ)で操業する日系企業の担当者と面談した。
日本政府は昨年から同大で行われる、工業環境用に開発された電子制御装置であるPLC(プログラマブルロジックコントローラー)に関する知識や日本式の礼儀作法などビジネスマナーを学ぶ寄付講座を支援。これまでに100人が受講した。就職フェアは、寄付講座の受講生と、ティラワSEZの日系企業のマッチングを目的に行われた。
フェアには、2020年の工場完成を目指す鉄鋼大手JFEスチールの現地法人、JFEメランティ・ミャンマー・ホールディングや、東洋製罐の現地法人、ヤンゴンキャンマニュファクチュアリングなど13社が出展。機械工学、電気工学、電子、メカトロニクスの4学部で学び、卒業認可を待つ最終学年の学生が、人事担当者との情報交換や面接に臨んだ。電気工学部で学んだ男子学生のピィ・ゾン・ウィンさん(23)は「日本企業は入社をしてからも学びの場が多く得られると聞いている。日本式のビジネスマナーはミャンマーとは全く異なり、戸惑うこともあるが、働いてみたい」と話した。
外国企業による技術人材の採用・育成が2011年の民政移管以降に始まったミャンマーでは、熟練した人材がまだ不足している。寄付講座を実施する海外産業人材育成協会(AOTS)ヤンゴン事務所の江口健一郎所長によると、ティラワはヤンゴン中心部からの通勤に時間がかかることからもエンジニアの採用やつなぎ留めに苦労している企業が多い。寄付講座は来年も続けられることが決まっており、「日系企業のよりよい人材確保につなげたい」と話している。